真夏の夜の夢(シェイクスピア)-あらすじと感想

A Midsummer Night's Dream

真夏の夜の夢は1594年頃に発表されたシェイクスピアの喜劇です。 夏の夜に森に入ってきた人々が妖精のいたずらによっておかしなことになるドタバタコメディです。

真夏の夜の夢は舞台もよく上演させており、文章だけでなく舞台で見る方もお勧めしたいです。 登場人物のドタバタ感をより身近に感じられることでしょう。

あらすじ

アテネ公シーシアスとアマゾンの女王ヒポリタとの婚儀が四日後に迫っていました。 そこに貴族のイジーアスとその娘ハーミア、若者のライサンダーとデミトリアスがやってきます。

イジーアスは娘ハーミアをデミトリアス結婚させようとしていましたが、ハーミアはライサンダーと恋仲でした。 ハーミアは父に抵抗していましたが、言う事を聞かない娘に腹を立てたイジーアスはシーシアスに訴えに来たのです。 アテネの法律では親の言う事に従わない娘は、俗世との交わりを断って修道僧となるか死ぬかしなければなりません。

シーシアスはハーミアに自分の結婚式までの四日間を猶予として与え、それまでに結論を出すように言います。 失意のハーミアに恋人のライサンダーは駆け落ちを提案し、夜に抜け出して森で落ち合うことにします。

ハーミアとライサンダーは駆け落ちを友人のヘレナに打ち明けます。 ヘレナはかつてデミトリアスに言い寄られていましたが、デミトリアスは心変わりしてハーミアを好くようになり、しかしヘレナは振られた後もデミトリアスの事を忘れられないでいました。 ヘレナはデミトリアスの気を惹くために二人の駆け落ちを告げ口することにします。

他方アテネの職人たちは公爵の結婚を祝って芝居を上演しようとしていました。 人々にバレないように森で稽古をしようと、職人たちもまた森へと向かいます。

アテネの森では妖精王オベロンと女王ティターニアがインド王から盗んできた美少年を巡って夫婦げんかをしていました。 腹を立てたオベロンは惚れ薬を使って女王に恥をかかせてやろうと計画します。 この惚れ薬は眠っている者の目に注ぐと目を覚まして最初に見た者を愛してしまうという代物で、妖精パックに計画の遂行を命じ惚れ薬を取りに行かせました。

そこへデミトリアスとヘレナがやって来て、オベロンは話を立ち聞きすることにします。 デミトリアスはハーミアの事で頭が一杯で、健気なヘレナの事は眼中にないようです。 ヘレナを哀れに思ったオベロンはデミトリアスがヘレナを愛するようにしてやろうと、戻ってきたパックに惚れ薬を女王に注いだ後に森で眠っている若者にも注ぐように命じます。

パックは森で眠っている女王に惚れ薬を注いだ後、眠っているライサンダーを見つけて惚れ薬を注ぎました。 これはオベロンの思惑とは違うものでしたが、眠っている若者に惚れ薬を注げとだけ言われて委細を知らないパックは間違いに気づきません。 眠っているライサンダーを見つけたヘレナが彼を起こすと、ライサンダーはヘレナを愛するようになってしまいました。

手違いに気付いたオベロンは自らデミトリアスに惚れ薬を注ぎ、その結果ライサンダーとデミトリアスはヘレナに熱烈な求愛を始めます。 そこにハーミアもやってきましたが、あれだけハーミアのことを愛していた二人はもうハーミアの事なんて知らないと言い放ち、事態は混沌としていきます。 ハーミアとヘレナは罵り合い、ライサンダーとデミトリアスはヘレナを巡って決闘を始めようとしています。 オベロンとパックはこれは不味いと魔法で皆を攪乱して疲れさせて眠らせ、ライサンダーの目に解毒剤を注ぎます。

一方、森の一角で職人たちは劇のリハーサルをしていました。 パックは悪戯で一人の頭をロバの頭に変えてしまうと、職人たちは驚きざわつきました。 その騒ぎで女王ティターニアが目を覚まし、最初にロバ頭の男が目に入って惚れてしまい熱烈な求愛を始めます。

ティターニアは大事にしていたインドの少年をオベロンに譲り、ロバ頭の男と一緒に甘いひと時を過ごしていました。 しばらくは女王の醜態を楽しんでいたオベロンでしたが、少年を手に入れたからにはもう良いとロバ頭の男とティターニアにかけた魔法を解いてしまいます。 翌朝目を覚ました男は、混乱しながらもアテネへと帰っていきました。

そうして迎えた約束の日、シーシアスとイジーアスは早朝森で狩りをしよう森へ来たところ、眠っている四人の若者たちを見つけます。 丁度良いと四人を起こしてハーミアの結論を聞こうとすると、四人は混乱した頭で昨夜の出来事を語り、いつの間にやらデミトリアスはヘレナの事を愛するようになっていました。 こうなっては仕方ないと、アテネ公の結婚式にて若者たちも一緒に式を挙げることになります。

腑に落ちない事もありますが全ての問題は解決し、公爵と若者たちの結婚式が始まりました。 披露宴では職人たちのおもしろおかしい劇も演じられ、やがて真夜中を知らせる鐘が鳴ります。 みな眠りに就いて宮廷は寝静まり、オベロンとティターニアは人々とこれから生まれる子どもたちに祝福を授けました。

感想

登場人物たちがいつもドタバタして右往左往している様は読者を退屈させませんね。

本作は文章でさっと読むと若干違和感を感じなくもないです。 一歩引いて冷静に物語をみると「惚れ薬のおかげでオベロンはインドの美少年を手に入れ、四人の若者は相思相愛の仲になりました。」という話であり、これで良いのか?と疑問に思ってしまいます。 …これでいいんでしょうか?

シェイクスピア作品は大なり小なり悲劇を孕んでいますが、本作は割と喜劇的と言えます。 薬の力を借りてのハッピーエンド展開も、シェイクスピア作品にありがちな悲劇に巻き込まれるよりはマシなのかもしれません。

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