ハムレット(シェイクスピア)-あらすじと感想

Hamlet

ハムレットは1600年頃に発表されたシェイクスピアの悲劇で四大悲劇の一つに数えられています。 主人公ハムレットは急死した父の霊に死の真相が毒殺であることを告げられ、復讐を始めるべく動き出します。

同じく復讐劇のテンペストと比べると、あまり気持ちの良い展開ではなく終始ドロドロしています。 そんなドロドロの人間関係の中での復讐劇とハムレットの心の葛藤が見どころでしょうか。

あらすじ

デンマーク王が急死したため、王弟クロ―ディアスがデンマーク王妃と再婚してデンマーク王となりました。 先王の子ハムレットは、父の急死と母の早すぎる再婚に困惑と憤りを覚えていました。

そんな折にハムレットは城壁に先王の亡霊が現れるという話を聞き、実際に会ってみることにします。 すると父の霊が現れ「自分の死はクロ―ディアスによる毒殺だった、父の仇を取れ」と言います。 ハムレットは父の敵討ちを誓い、復讐のために狂気に身を委ねることにしました。

周囲はハムレットの急な変わりように困惑し、原因は侍従長ポローニアスの娘オフィーリアへの実らぬ恋にあるのではないかと推察します。 ハムレットはオフィーリアへの愛の告白を書いた手紙を渡すなどしていましたが、オフィーリアは相応の身分ではないからと距離を取っていたのです。

しかしオフィーリアがハムレットに話を聞こうとしてもハムレットは冷たく拒絶するばかりで、オフィーリアはハムレットの変わりようを悲しみました。 その様子を隠れて伺っていた王とポローニアスは、心変わりの原因は分からないがハムレットの狂気は演技であると見抜きます。

ある日ハムレットは劇団に自分が筋書きを書いた演劇をやらせ、それを王夫婦と共に観劇していました。 劇は王弟が王を毒殺して王妃をたらしこみ王に成り代わるという、亡霊が話した毒殺の真相さながらの内容です。 劇を見た王は顔面が蒼白になって立ち去り部屋へ引きこもってしまい、その様子を見たハムレットは亡霊の話した事の顛末が真実であると確信します。

ハムレットは王妃の部屋を訪れ、逃げようとする王妃を抑えつけて真相を話そうとします。 しかし王妃はハムレットが狂気に陥って自分を殺そうとしていると思い助けを求め、隠れて様子を見ていたポローニアスは人を呼ぼうとします。 それをハムレットは王が隠れていると勘違いし、ポローニアスを刺し殺してしまいました。

ハムレットは事の真相を王妃に伝えようとしますが、王妃は狂人の戯言であるとしか思いません。 そこに父の亡霊も現れましたが、王妃には亡霊なんて見えないし何も聞こえないと言います。 王妃のハムレットが狂ってしまったという思いはますます強まりました。

その一方で王は真実を知るハムレットを危険視して、ハムレットをイギリスで始末する手はずを整えます。 「使者を殺せ」と記した手紙をハムレットに持たせてイギリスへと派遣しますが、ハムレットは途中で手紙を盗み見て計略を見破ります。 目付け役として随行していた二人を身代わりの使者として送り、ハムレットは王を打倒すべくデンマークへと戻ってきました。

デンマークでは父であるポローニアスを殺され狂気に陥ったオフィーリアが川で溺れて死に、その葬式が行われていました。 ポローニアスの息子レアティーズは父を殺し妹の死の原因を作ったハムレットへの復讐を誓い、王と共謀して剣術試合にてハムレットを毒剣と毒酒によって暗殺する計画を立てます。

そして翌日、ハムレットとレアティーズの試合が始まりました。 その最中に王妃がハムレットに用意されていた毒酒をそれと知らずに飲んで息絶えてしまいます。 また試合をしているうちに偶然互いの剣が入れ替わり、レアティーズとハムレットの双方が毒剣を受け毒に蝕まれます。

意識が薄れていくレアティーズはハムレットに毒の事を話し、王妃が死んだのは王のせいだと伝えます。 ハムレットは最後の力をふり絞って王に切りかかり、毒酒を飲ませて復讐を果たしました

最後にハムレットは親友に事の顛末を語り継いで欲しいと託して息絶えます。 全ての因果は応報し、皆死んでしまいました。

感想

ハムレットの復讐は決して爽快なものではなく、悩み苦しみ狂気に身を委ねながらのものでした。 復讐の過程でポローニアスが死に、オフィーリアが死に、ハムレットの友人が身代わりで殺され、王妃が死に、レアティーズが死に、クロ―ディアスが死に、そしてハムレット自身も死にます。 復讐は悲劇しか生まないとはよく言われますが、まさしくその通りの結末となりました。

しかしハムレットは「生きるべきか死ぬべきか、それが問題だ」を考え、そしてのらりくらりと安穏と生きるよりも復讐を果たして死ぬ事を選びました。 自身はこの結末を承知の上で復讐を始めたように思います。(※このセリフには解釈が色々ありますが、私はこの訳が一番好きです。)

悲劇的な結末を承知で復讐を始めるなんて、まさしく狂人の所業です。 ハムレットが狂気に身を委ねることになったのも、結末を承知の上だったからなのかもしれません。

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