オセロ(シェイクスピア)のあらすじ

Othello

オセロは1602年に発表されたシェイクスピアの悲劇にしてシェイクスピア四大悲劇のひとつです。 本作はボードゲーム「オセロ」の由来で、ゲームで黒白の石が目まぐるしくひっくり返る様が、まるで本作の黒人オセロと白人デスデモーナを取り巻く環境のようであることにちなんで名づけられたそうです。

完全無欠の司令官オセロは、部下の奸計により妻の浮気を疑うようになります。 部下の作り話に踊らされたオセロは、やがて嫉妬で狂気に陥るのでした。

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  1. あらすじ
  2. 感想

あらすじ

オセロとデスデモーナ

オセロはヴェニス政府に仕えるムーア人で、多くの手柄を立て周囲からは完全無欠の人物として尊敬されていました。 オセロは議員ブラバンショーの娘デスデモーナと相思相愛の関係でしたが、ブラバンショーはムーア人との結婚に反対するだろうと考え、二人は秘密裏に結婚式を挙げていました。

旗手イアーゴはオセロが自分を副官に取り立てないことに腹を立てていました。 デスデモーナを好いているロダリーゴと共謀し、オセロを陥れることにします。

イアーゴはブラバンショーに、オセロがデスデモーナをかどわかして結婚したと伝えます。 ブラバンショーは怒って兵と共にオセロの下へと向かいましたが、軍の緊急招集があったためその場は収まり一先ず会議へと赴きます。

議題はトルコの大艦隊がキプロス島へ進軍していると報告があったことで、キプロスに詳しいオセロを派遣することになりました。 ブラバンショーはその場で一同にオセロは娘をかどわかした犯罪者だと訴えましたが、オセロは二人の馴れ初めは正当なものであると話します。

証人として呼ばれたデズモーナもオセロへの愛を肯定し、ブラバンショーは二人の結婚を許します。 そしてデズモーナもオセロと共にキプロス島へ行くのでした。

イアーゴの奸計

トルコの艦隊は大嵐でほとんどが難破しており、ヴェニスは戦わずして勝利を収めました。 オセロは勝利と結婚の祝いに宴会を開きましたが、そこでイアーゴはオセロを陥れるための恐るべき計画を開始しました。

イアーゴは酒に弱い副官キャシオに無理矢理飲ませて酔わせ、そこをロデリーゴに挑発させて喧嘩を売らせました。 キャシオはロドリーゴと争った末に仲裁に入った総督を切りつけてしまい、罰としてキャシオは副官の任から解かれます。

落ち込むキャシオにイアーゴは「オセロの妻デスデモーナにとりなしてもらったらどうだ」と提案します。 そうしてキャシオが必死にデスデモーナに頼み込んでいる所を、イアーゴは二人が密会しているかのようにオセロに見せ、二人が良い仲であるかのように匂わせる発言をします。

嫉妬に狂うオセロ

嫉妬に燃えて怒るオセロでしたが、妻の不貞をこれだけで信じる訳ではありません。 そこでイアーゴは妻エミリアが拾ったデスデモーナのハンカチをキャシオの部屋に落とし、まるでデズモーナがキャシオにハンカチを贈ったかのように演出しました。

イアーゴはオセロが妻に贈ったハンカチをキャシオが持っていると言い、オセロはそれが本当なら妻の不貞を信じざるを得ないと考えます。

オセロはデズモーナに贈ったハンカチの事を問い詰めましたが、デズモーナは知らないうちに無くしてしまったとしかいいません。 そんな事よりもとキャシオの復職を願う妻に、オセロの疑念はますます深まって激高してしまいます。

更にイアーゴはオセロにキャシオとその愛人ビアンカのやり取りを見せようとします。 キャシオは部屋に落ちていたハンカチをビアンカに贈ろうとしており、それを目にしたオセロは妻の不貞を確信してしまいます。 そしてオセロはキャシオを殺すようイアーゴに命じるのでした。

オセロの狂気

キプロスにヴェニスからの使者がやってきて、オセロはヴェニスへと戻りキプロスの業務はキャシオが引き継ぐよう指令がありました。 デズデモーナはヴェニスに戻れることを喜びましたが、オセロはその喜びはキャシオが復職した事によるものだと思います。 使者の面前で妻に暴言を吐いて手を上げ、使者はこれが完全無欠と言われたムーアの将軍なのかと訝しむのでした。

オセロはエミリアに妻が不貞をしていないかを問いただしましたが、エミリアはそんな事はしていないと言います。 更にデスデモーナにも直接問いただしましたが、妻からも不貞など誓ってしていないと返ってきます。 しかし嫉妬に狂ったオセロは妻の潔白を信じることができませんでした。

ロデリーゴの死

イアーゴはキャシオに何か起きないと自分の昇進はないと考え、邪魔になってきたロデリーゴをそそのかしてキャシオを殺させようとしました。 ロデリーゴはキャシオを襲って手傷を与え、キャシオの叫び声を聞いたオセロはキャシオが死んだと思ってイアーゴの忠節を褒めました。

しかしキャシオは生きており、逆にロデリーゴは手ひどい反撃を受けていました。 喧噪を聞いてやって来たイアーゴは、ロデリーゴのことをどさくさに紛れて賊として始末してしまいます。

結末

オセロは残った妻デズモーナを殺すため寝室へとやってきました。 妻の美しい寝顔を見て躊躇ったものの、オセロは妻の首を絞めて殺してしまいます。

キャシオとロデリーゴの一件をオセロに知らせに来たエミリアは、室内の凄惨な光景に驚きました。 エミリアがオセロに事情を問いただすと、オセロは夫のイアーゴに騙されている事に気付き大騒ぎし、騒ぎを聞いたイアーゴたちがやってきました。

オセロは妻の不誠実とイアーゴの真実を信じていましたが、エミリアから例のハンカチはエミリアが拾ったのをイアーゴに渡したものだと聞いて己の過ちに気付きます。 身の危険を感じたイアーゴは余計な事を言ったエミリアを刺し殺し、逃げようとしましたが捕らえられ連行されました。

オセロは信頼していたイアーゴに裏切られていた事を知り、無実のデズデモーナを殺してしまった事を嘆きます。 ヴェニスへ帰る使者たちにありのまま伝えるよう依頼すると、オセロは隠し持っていた剣で自らを刺し、妻と同じ場所で息絶えました。

感想

高潔で立派な人物だったオセロが嫉妬心でジワジワと狂っていき、完全無欠と言われていた人柄は見る影もなく公衆の面前で妻を罵倒するような男になってしまいました。 しかしこれは妻への愛が冷めていなかった故の行動であり、彼を突き動かしていたのは嫉妬の感情です。

嫉妬に狂ったオセロは最後妻を殺し自分を殺しますが、その元凶となったイアーゴの行動もまた嫉妬に突き動かされてのものです。 「嫉妬はみずから孕んでみずから生まれ落ちる化物」とは作中の台詞ですが、本作は嫉妬の怪物性が一つのテーマだったように思います。

この物語で個人的に印象に残ったのがイアーゴです。 作中人物から見ると誠実で好人物だけど、胸の内が分かる読者が見れば八方美人のクソ野郎というのが面白いですね。

イアーゴは人当りが良く、ほとんど一人で事態を引っ掻き回していた辺り有能さも感じます。 自分こそが副官に相応しいという自己評価もあながち間違いではなかったのかもしれませんね。

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