銀河鉄道の夜|宮沢賢治-あらすじ

The Night of the Milky Way Train

銀河鉄道の夜は1934年に発表された宮沢賢治の短編童話です。 孤独な少年ジョバンニが友人のカンパネルラと共に銀河を旅する銀河鉄道に乗って星々を巡る物語です。

この話は宮沢賢治の死後に見つかった草稿であり、草稿は第一次原稿~第四次原稿の四つが存在します。 一般的に知られているのは第四次原稿のものですが、それまでの物と変わっている部分があり、またこれが完成作品であるかも分かりません。 興味があれば読み比べてみるのも良いでしょう。

あらすじ

ジョバンニはまだ少年ですが、父が長らく帰宅せず母も病気のため家計のために働いていました。 朝夕に働き日中は学校に通っており、とても忙しく眠気でうまく頭が働きません。 以前は仲良くしていたカンパネルラとも疎遠になり、クラスで浮いた存在になってしまっていました。

ジョバンニにはお祭りに一緒に行く友人もおらず、一人丘の上で夜空を見上げていました。 すると急に目の前が眩しくなり、気が付くと銀河鉄道を走る小さな列車に乗っていました。 列車には青ざめた顔のカンパネルラもいます。

二人は銀河鉄道に乗って星々を巡りました。 海岸で地層を調べている教授、猟師のおじさん、沈んだ船に乗っていたはずの三人組、灯台守など、色々な人と交流しながら旅は続きました。 旅は美しく素敵なものでしたが少しずつ乗客は減り、サウザンクロスを過ぎるとカンパネルラと二人きりになりました。

ジョパンニとカンパネルラは「本当の幸い」のためにどこまでも共に歩もうと誓います。 本当の幸いが何なのかは分かりませんが、きっと正しい道を歩んだ先にあるものです。

やがてカンパネルラは天の川の真っ黒な孔に母の姿を見つけたと言います。 ジョパンニはカンパネルラに一緒に来るよう懇願しましたが、気が付くとカンパネルラの姿はなくなっていました。 ジョパンニは泣き、そこら中が真っ暗になった気がしました。

ジョバンニは眼を開くと、そこは元の丘の上でした。 どうやら疲れて眠ってしまっていたようですが、頬には涙が流れていました。

ジョバンニは家に帰る途中、カンパネルラが川に落ちたクラスメートを助けようとして行方不明になった事を知ります。 カンパネルラのお父さんも来ていましたが、カンパネルラは見つからず捜査は打ち切りになりました。

ジョパンニはカンパネルラのお父さんに「カンパネルラの行方を知っている」と言いそうになりましたが、何も言えませんでした。 それを見たカンパネルラのお父さんはジョパンニが挨拶に来たものだと思い、感謝とジョパンニの父がもうじき帰ることを伝えます。 ジョパンニは胸が一杯になり、早く母親に伝えようと家へと走り出しました。

感想

美しくも悲しい気持ちになる物語です。

銀河鉄道の列車は死者の魂を然るべき場所へと運ぶものです。 そこになぜ生者であるジョパンニが乗り込めたのかと言えば、生きることを諦めかけていたからでしょうか。 あるいはカンパネルラの計らいで乗ることができたのかもしれません。

ジョパンニは列車でカンパネルラと出会い、人々と触れ合う中で生きる目的を見出します。 そして二人は「本当の幸い」のために共に歩もうと誓いました。

その後カンパネルラはいなくなってしまいますが、これは友情が反故になった訳ではありません。 二人の正しい道が別々だっただけなのです。

ジョパンニは現実でもきっと本当の幸いに向かって力強く歩んでいくことでしょう。

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