坊ちゃん|夏目漱石-あらすじ

BOTCHAN

坊ちゃんは1906年に発表された夏目漱石の中編小説です。 無鉄砲で喧嘩早いけど、まっすぐでいい性格をしている坊ちゃんの半生を描いた作品です。

坊ちゃんは漱石の中学教師時代の同僚がモデルで、本作はその頃の経験を下地にして書かれています。 数多くある漱石小説の中でも大衆的で読みやすく、人々に広く親しまれている作品です。

あらすじ

坊ちゃんは小さい頃から無鉄砲で損ばかりしていました。 喧嘩やいたずらに明け暮れていたので、家族との仲はあまり良くありません。 母は早くに死にましたが、父は兄ばかりを可愛がり、兄との仲は良くありませんでした。

味方をしてくれたのは下女の清だけで、不思議と坊ちゃんをちやほやしてくれました。 清は坊ちゃんは将来大物になる、その時はどうか私を置いてくださいと言うので、うん置いてやると返事だけはしておきました。

坊ちゃんが中学を卒業した頃、父親が卒中で亡くなりました。 兄は遠方へ就職するために家と遺産を売り払い、坊ちゃんと清へもそれなりのお金を渡して後は知らんと出て行って以来会っていません。 清も坊ちゃんが一人前になるまでは仕方ないから甥の世話になると別れました。

そして坊ちゃんは遺産で学校に通い、卒業後に四国の数学教師にならないかと言われ二つ返事で受けてしまいます。 実は教師になる気も田舎に行く気もなかったのですが生来の無鉄砲が祟りました。 度々会っていた清とも遠く離れることになり、別れの際にはもう少しで泣きそうでした。

赴任先は想像以上に田舎であり、こんな田舎に住めるかと思いましたが仕方ありません。 学校に赴任すると山嵐とあだ名を付けた数学教師と打ち合わせをすることになります。 最初は山嵐のことを横柄で無礼な奴と見ましたが、しかし案外色々世話をやいてくれ、下宿先も紹介して貰えて良い奴かもしれないと思いました。

教壇に立って教師とは傍で見るほど楽ではない事を知りましたが一週間も経つと大分要領が分かりました。 しかし街中で天ぷらそばを4杯食べていたのを生徒に見られて「天麩羅先生」とあだ名を付けられたり、宿直室にイナゴを入れられたりして学校が嫌いになりました。 同僚の教師もそれをこそこそ笑うので気に入りません。

ほどなくして山嵐に坊ちゃんの乱暴で下宿先が困っているから出て行って欲しいと言われました。 身に覚えのないことで坊ちゃんは山嵐への不信感を募らせましたが、しかし後に下宿の主人の作り話だった事が分かり二人は友情を深めます。

ある日坊ちゃんと山嵐は中学生たちと師範学校生たちの喧嘩を止めることになりました。 止めに入ったはいいが最後は自分たちも喧嘩に加わったのですが、2人が従順な生徒を操ってこの騒動を起こしたと新聞に嘘を書かれ、山嵐はその責任を負って学校を辞めることになりました。

それなら一緒にいた俺も辞めなければおかしかろうと談判に行きましたがどうにも校長の歯切れが良くありません。 実はこの件は赤シャツというあだ名の教師が山嵐を辞めさせるために画策したものだったのです。

納得いかない坊ちゃんは山嵐と一緒に赤シャツを成敗する計画を練り、芸者遊び帰りの赤シャツを待ち構えて叩きのめしました。 「逃げも隠れもしないから警察に言いたければ言え」と言いましたが結局巡査は来なかったので、赤シャツは警察には話さなかったようです。 赤シャツにも後ろめたいことが沢山あったので藪蛇を恐れたのでしょう。

坊ちゃんはその勢いで教師を辞めて故郷へ帰り、市電の技術者となって小さな家に清と一緒に住むことにしました。 清は至極ご満悦の様子でしたが、残念ながら二月に肺炎にかかって亡くなってしまいました。 坊ちゃんと同じ墓に入りたいと言ったので、墓は小日向の養源寺にあります。

感想

この小説の魅力は何と言っても無鉄砲で純朴な性格の坊ちゃんでしょう。 子どもの頃から無鉄砲でしたが、大人になってもやはり無鉄砲なままです。

あまり褒められたものではない事もしていますがしかし一本芯が通っており、一見無鉄砲な行動でも痛快に感じられます。 坊ちゃんのように生きるのは中々難しいことですが、だからこそこの小説が支持されているのかもしれませんね。

話の内容については取り立てて言うことは特にありませんが、しかしリズミカルでユーモラスな文章と真っすぐな坊ちゃんは読者を強く惹きつけます。 中編小説ですが割とあっさり読めるので、人間関係に疲れた時にでも読んでもらいたい一冊です。

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