ボジョレーヌーボーは寝かせると不味くなる
高級レストランに行くと、ひと昔前に作られたワインに遭遇することがあります。 私はワインの味の違いはよく分かりませんが、昔のワインほど美味しく高価というなイメージがあります。
なら近所で買ってきたボジョレーヌーボーも10年ほど寝かせてやれば価値がでるのでは?と思ったのですが、どうやらダメみたいです。 ワインには寝かせておいしくなるものと不味くなるものがあり、ボジョレーヌーボーは後者に分類されるみたいですね。
すぐ飲んでおいしいワインと熟成させておいしいワイン
ワインは新鮮な香りや味を楽しむものと、熟成させた味と香りを楽しむものがあります。 前者はさっさと、後者はじっくり寝かせてから飲むと良い訳です。
ボジョレーヌーボーは変に寝かせて熟成させるよりもさっさと飲んだ方が美味しいとされています。 解禁日に最もおいしくなるように計算して作られているので、寝かして熟成させるようには設計されていないのです。
寝かせた方がいいワインも、種類によって熟成するのに適した期間があり、単純に古い=美味しい・高いではないようです。 もっとも、希少価値という点で古いワインに高値が付く傾向があるようですが。
ワインだからと安直に寝かせたり、寝かせすぎたりするのはむしろ味を損なうかもしれないんですね。 ただ味の嗜好は個人で変わりますし、10年寝かせたボジョレーこそ至高の味だと思うのであれば別に寝かせて問題はないですけどね。
ちなみにワインには当たり年・はずれ年もあります。 ワインの原料ぶどうは常に同じ品質で取れる訳ではなく、その年の気候や気象によって出来が左右されます。 そしてワインの品質もぶどうの出来によって大きく左右されるのです。 ワインの種類や産地にごとに毎年出来が評価され、出来が良い年のと悪い年のものでは同じワインでも価格差が倍以上に開いたりします。
95年~2015年のボジョレーヌーボーキャッチコピーと点数評価
ボジョレーヌーボーと言えば出来がいいんだか悪いんだか分からないキャッチコピーで有名です。 キャッチコピーとヴィンテージチャートによる評価を見比べてみると面白いかもしれません。
以下はボジョレーヌーボーの製造年、評価点数、キャッチコピーです。 点数のRは飲み頃、Cは成熟しすぎを指します。
- 95年 : 86R ここ数年で一番出来が良い
- 96年 : 90R 10年に1度の逸品
- 97年 : 91R 1976年以来の品質
- 98年 : 93R 10年に1度の当たり年
- 99年 : 97R 品質は昨年より良い
- 00年 : 86R 出来は上々で申し分の無い仕上がり
- 01年 : 85R ここ10年で最高
- 02年 : 89R 過去10年で最高と言われた01年を上回る出来栄え、1995年以来の出来
- 03年 : 95R 100年に1度の出来、近年にない良い出来
- 04年 : 81C 香りが強く中々の出来栄え
- 05年 : 93R ここ数年で最高
- 06年 : 86C 昨年同様良い出来栄え
- 07年 : 75C 柔らかく果実味が豊かで上質な味わい
- 08年 : 91R 豊かな果実味と程よい酸味が調和した味
- 09年 : 89R 過去50年でも素晴らしい出来
- 10年 : 84C 1950年以降最高の出来といわれた2009年と同等の出来
- 11年 : 87C 近年の当たり年である2009年に匹敵する出来
- 12年 : 82C ボジョレー史上最悪の不作
- 13年 : 87C 小粒だが味の濃いブドウが収穫できた
- 14年 : — 近年の当たり年である2009年と肩を並べるクオリティ
- 15年 : — 今世紀でもっとも良い出来になる
チャート点数を絶対的な評価としてみると、キャッチコピーが適当言ってるのがよく分かりますね。 まあ私はそこまでワインの味の違いが分からないんで、実際の所は判断できませんが。