色々な「飲料水」の知識【水道水、ミネラルウォーター、軟水、硬水】

水が一杯入っているグラス

世の中には色々な「飲料水」があります。 水道水、ミネラルウォーター、軟水に硬水、海洋深層水などなど、日常的に耳にする機会も多いですよね。

これらに何となくのイメージはありますが、どんな水で何が違うのかと言われるとよく分からないものです。 そんな色々な飲料水の定義や効果についてお話ししたいと思います。

水道水

水道水を注いでいるコップ

水道水は「水道法」で管理されており、水道水を一生飲み続けても健康に影響がない基準で管理されています。 そのため水道局の管理する水を常飲しても健康に影響が出ることはまずありません。

水道水は塩素消毒されているため、普通の水よりもカビや雑菌に強いです。 そのため冷蔵庫の製氷機などではむしろ水道水を使った方が良いです。

ただし塩素入りなので独特な塩素臭があります。 これは水道水を不味く感じる要因でもあるので、飲む際には煮沸や汲み置きによって塩素を飛ばすと良いでしょう。

なお給水管から先は私有財産で水道局の管轄外なので、配管や貯水槽の劣化が水質に悪影響を及しても水道局は検知できません。 変な味や臭いがしたら飲むのを止めましょう。

ミネラルウォーター

テーブルの上に置かれたミネラルウォーター

ミネラルウォーターは水道水よりも基準の厳しい「食品衛生法」で管理されています。水道水との大きな違いは塩素消毒していないことで、残留塩素がなくそのまま美味しく飲むことができます。

またミネラルウォーターには、岩盤からしみ出したミネラル成分(カリウム、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム)が含まれています。水分と一緒にミネラル分も補給できるので、ミネラルウォーターは健康に良い水とされています。

どのミネラルがどれだけ含まれているかは採水地=銘柄ごとに違います。 自分に足りないミネラルを補う形で銘柄を選ぶと良いでしょう。

なおミネラルは過剰摂取しても意味はなく、特にカリウムの過剰摂取は健康に悪影響があります。食事から十分なミネラルを得ている場合、ミネラル分の少ない銘柄の方が良いでしょう。

ミネラルウォーターは原水と処理方法により、更に四品名に分類されます。

品名原水と処理方法
ナチュラルウォーター特定の水源の地下水を、沈殿・濾過・加熱殺菌に限った処理を行ったもの
ナチュラルミネラルウォーターミネラル分が含まれる特定の水源の地下水を、沈殿・濾過・加熱殺菌に限った処理を行ったもの
ミネラルウォーターミネラル分が含まれる特定の水源の地下水を、沈殿・濾過・加熱殺菌の他、ミネラルの調整、複数の原水の混合、ばっ気(液体に空気中の成分を吹き込む)などを行ったもの
ボトルドウォーター水道水、河川水、蒸留水、純粋などの飲用に適した水を原水とし、処理方法も規定されていない

浄水器の水

浄水器付き蛇口から出る水道水

浄水器は水道水に含まれる残留塩素などの不純物を取り除くためのものです。 水道水特有の臭みが消えて美味しく飲めるようになります。

浄水器は水道水から塩素を抜く手間がかからず、またミネラルウォーターと比べて単価が安くなるのが長所です。 特に水道水の品質に不安・不満を感じた場合は、優れた効果を発揮してくれるでしょう。

ただし浄水器はミネラル分まで取り除いてしまうため、水は無味無臭となり栄養もありません。 それに塩素成分を除去するということは、雑菌に弱くなり日持ちしないことを意味します。

浄水器を必須アイテムのように考える人もいますが、絶対に付けた方が良いなんてことはありません。 必要に応じて設置しましょう。

軟水と硬水

水道水を飲むネコ

水分中に含まれるミネラルが少ない水を「軟水」、多い水を「硬水」と言います。

硬度の計算方法と分類は国によってまちまちですが、WHOでは以下の方法で計算・分類しています。

硬度の計算式

硬度(mg/L)=Ca(mg/L)×2.497 + Mg(mg/L) × 4.118
名称硬度
軟水60未満
中硬水60-120
硬水120-180
非常な硬水180以上

軟水~中硬水は口当たりはよくまろやかですが、硬水は苦みを感じるしのど越しも重いです。ミネラルが豊富なのは硬水ですが、美味しく飲めるのは軟水~中硬水でしょう。 またお茶やコーヒー、料理などにも基本的に軟水が向いています。

逆に肉を茹でる際には硬水が良いと言われています。 ミネラルが肉のアミノ酸と結合し、肉が柔らかくなる作用があります。

その他の水

2本のペットボトル入り飲料水

アルカリイオン水

水を電気分解して弱アルカリイオン化させたものです。

胃腸の働きを助け、便秘の改善などの効果があると言われています。 胃腸に問題がある人は、アルカリイオン水を常飲すると良いかもしれません。

海洋深層水

水深200~300mほどの深層から汲んだ海水です。 光が届かない場所なのでとても綺麗で、また海水なので多量で多彩なミネラルが含まれています。

海水そのままでは塩分が多すぎて飲めないので、脱塩処理がされています。

水素水

高濃度の水素を含ませた水です。

健康効果が謳われていますが、エビデンスが少なく言うほどの効果があるかは疑問視されています。 今後十年ほどで定着するか消えるかで、その真偽が分かることでしょう。

RO水

超微細孔のフィルターでろ過して不純物を取り除いた、純水に近い水です。

安全性は高い一方で味がしないので美味しさが感じられません。 そのため人工的にミネラルが足される場合もあります。

以上、飲料水の色々でした。 マーケティングのために無理矢理作られたような水も多いので、あまり真面目に覚える必要はないでしょう。 特に日本では水道水だけで十分やっていけますしね。

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