国の経済力をビッグマックで測る「ビッグマック指数」

bigmac

国の経済力を測る指数は沢山あります。 GDP、貿易収支、PMI、物価指数などなど…ニュースでよく耳にするものから日常生活で聞く機会がないものまで様々です。

その中に「ビッグマック指数」というものがあります。 ビッグマックと言えばマクドナルドの二段重ねのハンバーガーが思い浮かびますが、一体何のことなのかと言えばズバりそれの事です。

ビッグマックなんかで経済を測れるのかと思うかもしれませんが、1986年に使われ始めてから未だに使われている所を見るときっと有用なんでしょうね。

ビッグマック指数とは

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ビッグマックは大手ハンバーガーチェーン店マクドナルドの人気メニューである二段重ねのハンバーガーです。 単品価格はなんとハンバーガーの4倍近くあり、それならハンバーガー2個重ねて食べればいいんじゃないのかと思うかもしれません。

しかしビッグマックにはレタスとビッグマックソースがあるのでハンバーガーとは一味違います。 ハンバーガーをいくつ重ねてもビッグマックにはなり得ないのです。

このビッグマックの価格を基に産出しているのがビッグマック指数です。 ビッグマックからどんな事が見えるのかを少しお話します。

2018年のビッグマック価格を見ますと、日本でビッグマックは380円で提供されています。 しかしこの価格帯は世界共通という訳ではなく、世界一高いスイスでは6.5スイスフラン(749円)、世界一安いウクライナでは47.00フリヴニャ(181円)になります。 同じビッグマックでも随分と価格が違いますよね。

本日の為替レートでは大よそ1スイスフラン=26フリヴニャです。 1スイスフランで26フリヴニャ手に入るのに、1スイスビッグマックで手に入るのは7ウクライナビッグマックです。 何かおかしい気がしますよね。お金を交換すれば1:26なのに、ビッグマックを交換すれば1:7にしかなりません。

このことから「ビッグマックが高い国は通貨が過大評価され、安い国は通貨が過少評価されている傾向がある」と見ることができます。 価格差を生み出している要素は一つではないので単純に断言することはできませんが、価格に差があるほどこの傾向が顕著です。

為替レートは様々な要因に影響されるため予測が難しく、その予測指標のひとつとしてビッグマック指数が使われています。 仮に日本のビッグマックが400円、アメリカのビッグマックが5ドルだとすると、400 / 5 = 1ドル80円がビッグマック指数的に適正な為替レートとなります。 現在の為替レートは1ドル110円なので、ビッグマック指数的には円が過小評価されていて将来的に上がっていくと見る事ができます。

ただ当然ですがそこまでアテにできる指標ではありません。 これが正確ならビッグマック指数で算出した為替レートに実際の為替レートが寄っていくはずですが全然そんな事はありませんからね。 あくまで予測材料のひとつとして使えるというだけです。

なぜビッグマックなのか?

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マクドナルドは世界の様々な国に出店されており、提供されているビッグマックはサイズや栄養などに若干の差はありますが大よそ同じものが提供されています。 これは指標として使うのにとても都合が良いです。

しかしなぜハンバーガーでもポテトでもなくビッグマックなのかは謎です。 定番の人気バーガーではありますが、一番売れているという訳ではないと思うんですけどね… 疑問に思ったことはあるものの、未だ答えを得られていません。

ちなみに同じような指標としてスターバックスのラテから算出した「ラテ指数」があります。 でもビッグマック指数の方が信用できそうな気がしますね。

そんな訳でビッグマックは各国の経済を測る指標のひとつとして活用されているのでした。 日本食もチェーン店が世界的に流行できれば「しまほっけ定食指数」とか「寿司指数」なんてのが作られる日が来るかもしれませんね。

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