蜘蛛の糸(芥川龍之介)のあらすじ

糸を垂れてぶら下がる蜘蛛

蜘蛛の糸は芥川龍之介の短編小説です。 この物語はポール・ケーラスの「Karma: A Story of Early Buddhism」を基に書かれており、大筋は同じですがテーマや仏教観には違いがあります。

地獄に落ちた悪党のカンダタに、お釈迦様が蜘蛛の糸を垂らして地獄から抜け出すチャンスを与える物語です。

目次 [閉じる]

  1. あらすじ
  2. 感想

あらすじ

天上のお釈迦様

お釈迦様が極楽から下を眺めてみると、地獄の底にカンダタという男が他の罪人と一緒に蠢いているのが目につきました。

カンダタは色々な悪事を働いた悪人ですが、たった一つ善い事をした覚えがありました。 道を這う小さな蜘蛛を見つけた際に踏み潰そうと思ったものの、「小さな蜘蛛にも命があるのだから無闇に殺すのはかわいそうだ」と見逃したことがあったのです。

お釈迦様はカンダタが蜘蛛を助けた事を思い出すと、その報いとしてカンダタを地獄から救ってやろうと思い、極楽の蜘蛛から出ている糸を手に取り地獄の底へと降ろしました。

地獄のカンダタ

地獄の底でカンダタは地獄の責め苦に疲れ果てもがいていました。 そんなカンダタが何気なく顔を上げると、一条の蜘蛛の糸が垂れてくるではありませんか。

この糸を登っていけば地獄から抜け出せると考えたカンダタは糸を掴んで登り始めます。 しかし極楽への道のりは遠く、やがて疲れて一休みすることにしてふと下を見ました。

すると下から数多の罪人たちが蜘蛛の糸を登って来るではありませんか。 細い蜘蛛の糸がこんなに沢山の人々を支えられる訳がないと思ったカンダタは「この糸は俺のものだ!お前たちは下りろ!」と叫びます。

すると糸はカンダタの辺りからプツリと切れ、カンダタと罪人たちは真っ逆さまに地獄へと落ちていきました。 自分ばかりが助かろうとする無慈悲な心が相応の罰を受け、カンダタは元いた地獄へと落とされたのです。

一部始終を見ていたお釈迦様は悲しそうな顔をしながら、またぶらぶらと歩きはじめました。

感想

シンプルで短い内容ながら、色々と考えさせられる話です。

お釈迦様は紛れもなく悪人であるカンダタを救うために蜘蛛の糸を垂らしました。 蜘蛛を助けたぐらいでそんなチャンスを与えるなんてと思ったかもしれませんが、そんな甘い話ではありませんでしたね。

お釈迦様ならカンダタをもっと確実に助けることができたはずですが、か細い蜘蛛の糸を掴むようなチャンスしか与えなかったのです。 しかしカンダタが蜘蛛の糸を登ってこれるような人間だったのであれば、そもそも地獄には落ちていないはずです。

最後にお釈迦様が悲しそうな顔をしたのも、カンダタの失敗を見て哀れんだというよりは、地獄の罪人が天国に上がってこれないことを再認識した哀しみなのかもしれませんね。

カンダタは一体どうすれば天国へと辿り着くことができたのでしょうか。 他人を蹴落とそうとしたのは間違いだったようですが、あのまま見過ごすのが正しい選択とは限りません。 お釈迦様が垂らしたものは、まさしく蜘蛛の糸でしかなかったのですから。

この話は短いながらも示唆に富んでおり、読み手によって感じ方も違うようです。 何か感じ入ることがあったなら、ぜひ原文に当たって頂ければと思います。

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