ベジタリアンは栄養不足になって危険
世の中には肉や魚を食べない、いわゆる「ベジタリアン」な人々がいます。 ベジタリアンになる理由は人それぞれですが、中には健康のためにベジタリアンを志す人もいるようです。
野菜は健康に良いと言われているからか、ベジタリアンには健康的なイメージがあります。 しかし実際の所は栄養不足を招くだけで、健康のためには肉や魚も適量は食べた方が良いのです。
ベジタリアンは栄養不足
全ての栄養を適量とれば健康に
人間はご存知の通り雑食性の動物で、様々な食べ物から生きるための栄養を摂取しています。 しかしその割には「健康のために野菜をよく食べなさい」と野菜のことばかり言われますよね。
これは人の平均的な食生活において野菜が不足しがちになっているからです。 おいしいものは食べ過ぎる一方で、おいしくないものは敬遠しがちになりますからね。
肉や魚は何も言わなくても十分すぎるほど食べるので、あえて食べろと言われることはあまりありません。 しかし健康のために適量食べる必要があるのは、何も野菜に限った話ではないのです。
行き過ぎた菜食主義はむしろ健康を損ねてしまいます。 健康のために必要なのは「全ての栄養を適量とる」ことです。
ベジタリアンの食生活がもたらす悪影響
行き過ぎた菜食主義はタンパク質などの各種栄養不足を招きます。 野菜類や果物類はビタミンが豊富な一方でタンパク質やコリンなどに乏しく、植物性食品だけでこれらを必要量摂取するのはかなり難しいです。
タンパク質が不足すれば肌荒れ・筋力の低下・免疫力の低下に繋がります。 コリンが不足すれば思考力が落ち、脳の栄養不足により怒りやすい性格になるなんて研究結果もありますね。
特に妊婦・子ども・お年寄りが菜食主義を貫くと露骨に身体に悪影響が出ます。 もちろん健康体の成人にとっても好ましいことではないので、健康志向ならば肉や魚も必要量摂取することも心がけましょう。
「肉や魚を食べたらベジタリアンじゃない」と思うかもしれませんが、実はそんな形態のベジタリアンもあるにはあるのです。 ベジタリアン全てが完全な菜食主義者という訳ではなく、分類によっては許容されている動物性の食品もあります。
ベジタリアンの分類
ベジタリアンとは菜食主義者を指す言葉ですが、一口にベジタリアンと言ってもその実態は様々です。 「動物由来の食品は一切食べない」ことを信条にしている人もいれば、肉や魚を少量ながら食べる人もいます。
またベジタリアンになる理由も様々です。 ダイエット、健康志向、思想、宗教、アニマルライツ(動物の権利)、環境問題など、動機が変わればその食生活も微妙に違うものとなります。
一般的にはベジタリアンとまとめられているけど、微妙な違いのあるベジタリアンの分類を見てみましょう。
ビーガン
動物性の食品を一切食べない完全な菜食主義者を「ビーガン」と言います。 数あるベジタリアンの中でも最も厳しいスタイルです。
動物愛護に根差した志向であり、動物愛護活動の一環として選択している人が少なくありません。 ビーガン以外の動物愛護活動を並行して行う人も少なくないため、ビーガンという言葉が動物愛護活動やその様式のように使われることもあります。
動物に由来する食品を一切摂取できないということは、最も栄養が不足するスタイルでもあります。 多くの専門家が健康に悪影響が出ることを指摘しており、少なくとも栄養学の観点からは推奨されていません。
ラクト・ベジタリアン
「乳製品」を許容する菜食主義者を「ラクト・ベジタリアン」と言います。
牛乳・チーズ・バター・ヨーグルトなどから動物性の栄養を摂取できるため、ビーガンに比べると大分健康的に過ごせます。
ラクト・オボ・ベジタリアン
「乳製品と卵」を許容する菜食主義者を「ラクト・オボ・ベジタリアン」と言います。
卵はヒナ鳥が成長するための豊富な栄養が含まれた完全食品です。 また様々な料理に活用できることからも、卵を食べるかどうかは想像以上に大きな差となるでしょう。
一般的にベジタリアンとはビーガン~ラクト・オボ・ベジタリアンのことを指します。
ペスコ・ベジタリアンとポーヨー・ベジタリアン
「乳製品・卵・魚」を許容する菜食主義者を「ペスコ・ベジタリアン」、「乳製品・卵・鶏肉」を許容する菜食主義者を「ポーヨー・ベジタリアン」と言います。
思想や宗教で特定の動物の肉を忌避している人や、単なる健康志向によって選択される場合が多いです。 もはやベジタリアンなのか怪しいですが、一応分類として存在しています。