「人の不幸は蜜の味」人は他人の不幸から幸福感を得られる

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他人の他人の不幸を嘲笑うのは非道徳的で好ましくないこととされています。

しかしながら人間がこのような側面を持っていることは否定できません。 多かれ少なかれこんな性質を持つ人は珍しくなく、SNSを眺めていれば嫌というほど目にします。

なぜこんな性質を持ってしまったのかと言えば、生存競争の過程で得た性質という説があります。 他人の不幸が自分の幸福に繋がるため、他人の不幸を喜ぶようになったのではないかということですね。

人の不幸は蜜の味

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日本には「人の不幸は蜜の味」ということわざがあります。 これは他人の不幸を喜ぶ人の性質をよく表した言葉です。

この類のことわざは何も日本に限ったものではありません。 中国では「他人の不幸を願う」、ドイツでは「シャーデンフロイデ」、英語では「ローマンホリデー」と言った具合に、世界各地で似たような言葉が見られます。 他人の不幸を喜んでしまうのは人類共通の性質なのかもしれません。

あなたの嫌いな人が犬のウンチを踏んだら晴れやかな気分になりますよね。 人は他人の不幸を喜べる性質を持ち合わせているのです。

ただし他人の不幸が何でもかんでも幸福に感じられる訳ではありません。 シャーデンフロイデの研究によると「あまり深刻ではない」「自分と親しくない人」「不幸がその人の落ち度に起因している」などの条件下において顕著に幸福を感じるそうです。 逆に言えば「深刻」「自分と親しい人」「不可抗力的」な不幸は喜び難い傾向にあるという事ですね。

個人差もあるでしょうが、何にしてもこのような性質はあまり褒められたものではありません。 なぜ人間にこんな性質が染みついてしまったのかは諸説ありますが、その一つ「ゼロサムゲーム状況だったからだよ論」を紹介したいと思います。

サラリーマンの出世競争に見る幸不幸の連動

あなたは会社勤めのサラリーマンで、優秀で栄達を望む野心もある同期の出世頭だとします。 そんなあなたを例にして他人の幸不幸とあなたの幸不幸を考えてみましょう。

上役が退職したことでポストが空き、その後任としてあなたと同期のライバルA氏のどちらかが昇進することになりました。 厳正なる協議の結果、後任として指名されたのは同期のライバルA氏でした。 同期会ではA氏の出世を祝福して、盛大なお祝いがされましたとさ。めでたしめでたし。

ポストには限りがあり一旦就任するとそう簡単には動きません。 A氏は同期なので先に定年退職するなんてこともなく、別の機会に出世してA氏に追いついても更に上のポストへの昇進にはA氏が選ばれる可能性が高いです。 よほどの何かがない限りは、あなたとA氏の関係は生涯この上下のままである可能性が高いです。

そんなA氏の出世は、あなたに少なからず不幸を感じさせることでしょう。

さて出世レースに先んじたA氏ですが、新ポストに就いた矢先に病気になって倒れてしまいました。 完治までに1年かかりまた病気が治ってもあまり無理はできないと医者に診断されたそうです。

A氏が病気になった事により昇進の話は白紙となり、後任にあなたが指名される可能性が高いです。 そしてA氏が復帰したとしても、あまり無理はできないので出世の考査に大きく影響します。

そんなA氏の不幸は、あなたに少なからず幸福を感じさせることでしょう。

こんな感じに他人の幸不幸と自分の幸不幸が連動する状況は珍しいものではなく、他人と競争する分野においては当たり前に発生することです。 こんな状況下では他人の幸福は素直に喜べませんし、他人の不幸を喜んでしまうのも不思議ではありませんよね。

このような状況を「ゼロサムゲーム」と言いますが、我々の持つ他人の不幸を喜ぶ性質はそんなゼロサムゲームで培われたものなのかもしれません。

他人の不幸は蜜の味は、ゼロサムゲームで培われた性質かも?

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1対1のじゃんけんで対戦して、勝ては1P、負ければ-1Pで、5回勝負を行うイベントがあったとします。 個々人の成績を見ればポイントが5P~-5Pの間で変動しますが、参加者全体のポイント総和は0から動きません。

こういった複数の参加者が損得を争いつつも、損得の合計はゼロから動かない状況を「ゼロサムゲーム」と言います。 「限られたパイの奪い合い」なんて表現がされることもありますね。

ゼロサムゲーム下においては、他人の損が自分の得に、自分の得が他人の損に直結します。 人類の歴史においてもこのようなゼロサムゲームは珍しいものではありません。

限られた食料、限られた土地、限られた資源、限られた富、限られた地位など、人は常に奪い合いの生存競争に晒されています。 時には相手を蹴落としてでもそれらを手に入れなければならなかったこともあったでしょう。

だからこそ我々は他人の不幸を見て幸せを感じるように進化してしまったのかもしれません。 あまり気持ちの良い話ではないですが、この習性を肯定せざるを得ないものが世の中に溢れすぎていますからね。

ただこういった性質を目にするのは気持ちの良いものではありません。 人にはこういった性質があることを理解しつつも、表には出さないように気を付けましょう。

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