平家の怨念が乗り移った!?甲羅が人面のカニ「ヘイケガニ」

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ヘイケガニというカニをご存知でしょうか? まるで人の顔のように見える甲羅をしたカニとして有名で、そのおどろおどろしい見た目から「壇ノ浦の戦いで敗れた平家の亡霊が乗り移ったカニ」と言われ、人々から忌避されています。

しかしヘイケガニの模様は平家とは関係ありません。 平家が勃興する遥か昔から人面ですし、平家に縁ある場所にのみ生息している訳でもありません。 たまたまそうなっているだけという見方が強いです。

ヘイケガニの伝説

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ヘイケガニは東アジア近海に生息している小型のカニで、甲羅のデコボコ模様がまるで人間の顔に見えるのが特徴です。 しかもその表情はまるで怒ったり苦しんでいたりしているように見えるおどろおどろしいものです。そんな甲羅をしているからか、平家の亡霊が乗り移ったカニであるという伝説があります。

かつて平家は武士の頂点まで登り詰めて朝廷を一族で掌握し、「平家にあらずんば人にあらず」とまで放言するほどでした。 この平家の専横に不満を持っていた貴族・武士・豪族はやがて平家に対して反乱を起こし、源氏を中心とした勢力によって追いやられていきます。 そして最後の決戦である1185年の壇ノ浦の戦いにて敗れ、栄華を誇った平家は滅亡してしまいます。

壇ノ浦とは今で言う山口県下関市で、この辺りはヘイケガニの生息地でもあります。 それからと言うもの、ヘイケガニは平家の怨念が乗り移ったカニであると言われるようになりました。

しかし当然ながらヘイケガニの甲羅模様は平家と何の関係もありません。

ヘイケガニの甲羅は平氏の怨念とは関係ない

ヘイケガニは遥か昔から人面模様の甲羅を持っており、化石として見つかったものにも人面のような模様が確認されています。 平家の滅亡どころか誕生よりもずっと前から人面です。

またヘイケガニの生息地は下関周辺に限っている訳ではありません。 北海道の南側から九州まで日本各地で見られますし、東アジアにおいても広く生息しています。

それでも「ヘイケガニ」なんて名前が付いたのは、人々が平氏の怨念を感じていたからでしょうか。 現代においても怪談で「平家の落ち武者の霊を見た」とか語られる事がありますし、平家のご先祖様である平将門なんて日本三大怨霊に数えられています。 他の氏族の怪談話は滅多に聞かないのに不思議なものです。

なおヘイケガニが人面のような甲羅模様をしている理由は謎ですが、たまたまそうなっているだけの可能性が高いです。 人面に見えるのはシミュラクラ現象のせいでしょうね。

この人面模様には人間が忌諱する効果はあるかもしれませんが、人間が天敵になるような事情はないのであまり意味がありません。 ヘイケガニは体長5cmほどで殻が多いので食用には向かず、水深30cmほどの砂泥にいるため人目にも付きません。 時々網にかかることはありますがすぐ逃がされるそうです。

そんな訳でヘイケガニと平家の怨念は関係なく、人面模様に意味はないという話でした。

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