イルカは右脳と左脳が交替で眠っている

ジャンプするイルカ

イルカは知能が高い動物で、水族館では様々な芸をこなして人気を博しています。 そんなイルカの頭脳には、実は人間にも真似できないスゴイ機能がそなわっています。

なんとイルカは右脳と左脳が交互に眠るため完全に眠る必要がありません。 そのため24時間活動できるのです。

イルカは半球睡眠によって眠っている

脳の働き

その昔イルカはまったく眠らずに活動している動物だと考えられていました。 近い種であるクジラやカバは普通に寝ている時間もありますが、イルカを24時間観察していても眠っている素振りが見つからなかったのです。

しかし研究が進むと実はイルカも眠っていることが分かりました。 イルカは脳を片方ずつ眠らせる半球睡眠によって睡眠していたのです。

半球睡眠とは

半球睡眠とは要は右脳と左脳が交替で眠る睡眠です。 イルカは1回の潜水で1分ほど潜っており、その間に片目を閉じてぐるぐる体を回転させることがあります。 この1分の間に片脳だけ寝ており、右目が閉じている時は左脳が、左目が閉じている時は右脳が寝ています。

イルカはこの半球睡眠を1日に数百回行うことで睡眠時間を確保していたのです。 人間も退屈な授業や会議で半分寝ることがありますが、その発展版の能力と言えます。

他にもアホウドリなどの一部の海鳥が半球睡眠をすることで知られています。 ちなみにマグロは眠らない魚として有名ですが、半球睡眠ではなくゆったりした動きで疑似的な睡眠を取っています。

人間は半球睡眠できない

ぐっすり眠る赤子

人間もイルカのように半球睡眠ができれば、24時間動き回れることもかもしれません。 しかしそんな真似ができるはずもなく、昔読んだ本に書いてあった半球睡眠の実践方法をいくら頑張っても無理でした。 金返せ!

根本的に人間の脳は半球睡眠できるようにできていません。 人は睡眠する時、まず浅い眠りのレム睡眠から入り、だんだんと深い眠りのノンレム睡眠に移行します。 脳が眠るのはノンレム睡眠の段階なので、イルカのように短時間の睡眠を取っても休息を得られません。

ならば片脳だけノンレム睡眠すれば良いだろうと思うかもしれませんが、そんなことはできません。 いくら片目を閉じてじっとしていても、脳の睡眠にはならないのですから。

しっかり寝よう

睡眠には体の疲労物質を除去し、脳の回復と記憶の整理を行い、成長ホルモンを分泌する作用があります。 これらは人が生きるに際して欠かせない作用です。

睡眠時間が長いと何だか損している気分になりますが、過剰な睡眠でもしていない限りは錯覚です。 無理やり短時間睡眠で活動したところで、結局は集中力を欠いた状態で1日を過ごすハメになるだけです。 だからぐっすり眠りましょう。

ちなみに睡眠時間をごく短時間しかとらないショートスリーパーと呼ばれる人もいます。 ショートスリーパーはレム睡眠からノンレム睡眠にすぐ移行するため、短い睡眠できちんと休息できます。 しかしこれは先天的なものなので、普通の人間が真似は出来ません。

毎日きちんとぐっすり眠りましょう。

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