お店の閉店前に流れる曲は「蛍の光」ではなく「別れのワルツ」

日本ではお店の閉店時に流れる定番の曲があります。 この曲を聞くと「ほ~た~るの~ひ~か~あり」と頭の中に歌詞が浮かんでくる人もいるのではないでしょうか。

しかし実はこの曲、蛍の光ではなく「別れのワルツ」という曲なのです。 この二つの曲がそっくりなのは、どちらも「オールド・ラング・サイン」を原曲としているのが理由です。

オールド・ラング・サインを原曲とした曲たち

まずは蛍の光と別れのワルツの共通の原曲である、スコットランド民謡「オールド・ラング・サイン」を聞いてみてください。

この曲は古くからスコットランドで歌われていた民謡です。 古い友人と一緒に飲んで昔を偲び友情を再確認する詩であり、お祝い事などで歌われる馴染みの曲です。 しかしスコットランド民謡のはずなのになぜか我々日本人にも馴染みの曲ですよね。

これは明治にオールド・ラング・サインに日本語の詩を付けた「蛍の光」による所が大きいです。 詩はスコットランドのものとは全く違う内容で、中国の故事「蛍雪の功」を基にした別れの歌となっています。

蛍の光は紅白歌合戦や甲子園の閉会式や学校の卒業式など、イベントや行事の終わりに歌われることが多いです。

そしてこんな感じの曲を最も良く聞くタイミングが閉店間際のお店です。 いや人によっては全然聞いたことないかもしれませんが、毎日この曲を聴きながら買い物をする人もいるのではないでしょうか。

蛍の光は別れの歌なのでお店の閉店前に流す曲としても違和感はありません。 特に何の疑問も抱かずに「流れているのは蛍の光だ」と思っている人は多いです。

しかしながらお店の閉店間際に一般的に流れているのは蛍の光ではありません。 「別れのワルツ」です。

これはアメリカの映画「哀愁」にて劇中のクラブの閉店前に流れていた曲で、原曲オールド・ラング・サインをワルツ風にした曲です。 これを古関裕而氏がアレンジして発売した曲が「別れのワルツ」になります。

蛍の光と別れのワルツの見分け方

先ほどお店の閉店前に流れる曲は別れのワルツと言いましたが、実は蛍の光を流しているお店もあります。 ほぼ同じ曲ですしお店で流す際にアレンジされることもあるので、普通は聞き分けられませんよね。

しかし簡単に見分ける方法があります。 オールド・ラング・サインと蛍の光は四拍子なのに対して、別れのワルツは三拍子です。 近所のお店で流れているのがどちらなのか、改めて聞いてみれば答えは分かるでしょう。

オールド・ラング・サインを原曲とした曲や歌は他にも色々あり、様々な地域で親しまれています。 英語圏の他、アジアにおいても日本の他に韓国・台湾・香港・フィリピンなどで聞くことができるでしょう。 海外旅行などで似た曲を聞くことがあるかもしれませんが、流れているのは蛍の光ではないので注意しましょう。

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