50℃のお湯で火傷して100℃のサウナで火傷しない理由

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お湯の温度を少し間違えただけでお風呂は熱くて入れなくなります。 42℃ぐらいでも熱いのが苦手な人は無理ですし、44℃にぐらいになるともうまともに漬かれません。

その一方でサウナは90℃ぐらいは当たり前、100℃を超える場所も普通に存在します。 それになのに1時間ぐらい入っていても、火傷するなんてことはありません。

なぜ50℃のお湯に入るのが無理で100℃のサウナは平気なのかと言えば、気体の方が熱伝導率が低いからです。 気体の方が分子の数が少ないから伝わってくる熱が少なく、火傷せずに済んでいるといったところですね。

熱い風呂に入るコツと、限度はあるという話

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お風呂に氷をひとかけら入れて溶けるのをただ待つと、溶けきるまで意外に時間がかかります。 一方で同様に氷を入れて湯舟をぐるぐるかき混ぜると、氷はすぐに溶けてしまいます。

これは氷を入れた周囲のお湯が冷やされ、冷えたお湯が氷の周りを層のように包むからです。 湯舟全体で見たら氷がすぐに溶ける温度でも、氷に近くなるほどに温度は低くなるため中々溶けません。 しかしグルグルかき混ぜてやれば氷の周囲もかき混ぜられて均一の熱さになるので、すぐ溶けるという訳です。

これと同様の現象が入浴中の人間にも起きています。 熱いお風呂に入ると体温によって周囲のお湯は冷やされ、その若干冷えたお湯が体の周りを包みます。 なので入った時は熱いお湯でも、じっとしていると体の周りのお湯は冷めるので熱さが和らぐ訳です。

しかし湯舟の中を動き回ったりお湯をかき混ぜられたりすると、自分の周囲にあった冷めたお湯が散ってしまうので熱さが復活します。 だから熱い湯舟の中にいるコツは、なるべく動かずじっと我慢することです。

しかしそんな理屈が通用するのもせいぜい40℃前半の風呂までで、これ以上熱い風呂に入るとじっとしていても熱くて耐えられません。 これは温度差が大きいほど熱が伝わりやすくなるためです。

自分の周囲の冷えたお湯は、体温に冷やされる一方で外側の熱湯から温められます。 湯舟の温度が上がるほどにぬるま湯バリアの温度も上がり、やがてバリアにならなくなるという訳です。

しかし50℃の湯舟で火傷してしまう一方で、サウナは100℃ぐらいあっても平気ですよね。 この違いは熱の伝わりやすさの違いによるものです。

50℃の風呂で火傷して100℃のサウナで火傷しない理由

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このお風呂で起きた現象は液体に限ったことではなく、周囲が気体の場合にも起こります。 サウナ内の空気は100℃ですが、中にいる間に体温によって冷やされた空気が体の周囲を包みます。 実際に身体に当たる空気は100℃に遠く及ばない温度なので、サウナの中で火傷せずに済んでいます。

そして50℃の風呂はダメで100℃のサウナは問題ない理由は、液体と気体の差により熱の伝わり方が違うためです。 基本的に気体は個体よりも密度が低いので熱を伝えにくく、空気は水の1/20ぐらいしか熱を伝えません。

熱伝導は単位面積辺りの分子の数によって左右されるため、気体<液体<個体と伝導率が良くなります。 例えば水冷式PCなんてのがありますが、あれは空気よりも水の方が熱伝導率が高いことを利用して、効率よくCPUを冷却している訳です。

サウナの湿度が5~10%程度に低く保たれているのも、空気中の湿度が高いほどに分子の数が多くなるので、高温多湿のサウナなんて入ったら火傷するからですね。 ミストサウナが40℃程度に抑えられているのはそういった事情です。

またサウナの中でかく汗も体温の調整に一役買っています。 汗の水分が体を守り、また汗が蒸発する際の気化熱で周囲の温度を下げてくれます。 しかし汗をかきすぎると脱水症状により汗が出なくなり、その状態でなおサウナにいると体温がガンガン上がり続けてやがて死ぬので気を付けましょう。

以上、50℃のお風呂は火傷するけど100℃のサウナは平気な理由でした。

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