鍾乳洞が夏は涼しくて冬は暖かいのはなぜ?

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うだるような真夏には鍾乳洞が人気スポットとなります。 どれだけ外が暑くても中はひんやり気持ちいいんですよね。しかし冬にいけば今度は中が温かく感じます。

鍾乳洞は夏に涼しくて冬は暖かいというより、温度は年中ほぼ一定に保たれています。 鍾乳洞は地中にあるため太陽の影響を受けず、季節の違いによる温度変化の影響を受けにくいのです。

鍾乳洞の温度は年中ほぼ一定

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鍾乳洞の温度は年中ほぼ一定です。 夏涼しく冬暖かいと感じるのは、外気温との温度差から感じる印象の違いか着ている服の影響でしょう。 同じ15℃の場所でも夏にTシャツで入るのと冬にコートを着て入るのとでは感じ方が全然違いますからね。

なぜ鍾乳洞の温度が年中変わらないのかについては、なぜ気温が季節によって変わるかを考えれば分かります。

気温が変わる要素のひとつは太陽の日照時間です。 太陽が長時間出ていれば気温は上がり、逆に短かければあまり上がりません。 夏の太陽は朝早く出て夕方遅くまで沈みませんが、冬には朝遅く出る上に夕方頃には沈みますよね。

そしてもう一つの要素が太陽が当たる角度です。 太陽からの光が直角に近いほど太陽から発せられる光が当たる量が多くなります。 太陽が真上にいる昼間は暑いですが、沈みかけた夕方になると大分落ち着いてきますよね。 地球の自転軸は公転面に対して傾いているので季節によって太陽の角度は変わり、夏は太陽の照射角度が直角に近くなり、冬は緩やかになります。

要は気温が季節によって変わる理由は太陽の日射量が変わるためです。 他にも気圧配置などの気温に影響する要素はありますが、まあ大体太陽のせいです。

太陽によって気温が変わるとすれば鍾乳洞などの洞窟の気温はどうなるでしょか? 鍾乳洞は太陽の光なんて届かない場所にあるので、太陽の影響を受けにくいです。 だから鍾乳洞の温度は一年を通してあまり変わりません。

ただ鍾乳洞の温度は全国どこでも全て同じという訳ではありません。 洞内の温度は地温の影響を受け、浅い場所は周囲の気温が地温にもある程度影響を与えますが、深いほど影響は少なくなり、10mより深い場所は気温の影響をほぼ受けません。

地温は周囲に何もなければ基本的に冷たいですが、マグマ・地下水・温泉などが近くにあったりするとそれに引っ張られたりもします。 浅い場所にある鍾乳洞、深い場所にある鍾乳洞、近くに温水が貯まっている鍾乳洞など、様々な事情で微妙に洞内の温度は変わります。

だから一口に鍾乳洞といっても、温度が18℃程度あるものから0℃近いものまで様々です。 旅行に行くのであれば夏には涼しい所、冬には暖かい所に行くのがお勧めでしょうか。 洞内の温度は公開されてる所が多いので、興味のある鍾乳洞があれば調べてみてください。

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