アメリカの市内局番「555」はフィクション用の架空電話番号

電話連絡を受ける役者

アメリカの映画、ドラマ、漫画、小説、ゲームなどの創作を見ていると、よく市内局番「555」の電話番号を目にします。 私はドラマを見る中で「five five five」の印象的なフレーズが記憶に残り、そこから市内局番555が多いことに気付きました。

アメリカの創作における市内局番が「555」だらけなのは、それが創作用の番号として確保されているのが理由です。

アメリカのフィクションにおける市内局番は「555」

電話する男性

私はよくアメリカの映画やドラマを見ていますが、どの作品も市内局番が「555」ばかりなことに気付きました。 電話番号を言う時は「five five five」、電話番号が書かれていものには「555」と、気付けば555だらけです。

最初は創作の舞台になることが多い地域があるのかなぐらいに考えていましたが、全然違う地域での話においても出てくる市内局番は「555」です。 ニューヨークが舞台の話は「212-555-0162」、ロサンゼルスが舞台の話は「310-555-3067」といった具体です。

これは一体どういうことなのかと調べてみると、何のことはありません。 アメリカにおいて市内局番「555」は、創作用の専用番号として使われているということでした。

アメリカには555局番の地域が存在しないので、フィクションに使う慣習ができた

アメリカではその昔、電話の交換機の2~9にアルファベット3文字ずつを割り当て、最初の3桁でアルファベット三文字からなる地名を指定していました。

その中でJKLの3文字が割り当てられた5の連番である555で地名を表すことができなかったため、一般に割り当てられる電話番号にはなりませんでした。

それを利用して555はフィクション用の架空電話番号として利用されている訳ですね。 現実に存在しない番号であれば、安心して創作にて架空の電話番号として使えます。

なお現在は様々なサービスが増えるにつれて555番も埋まり、創作に使えるのは555-0100から555-0199までの範囲となったそうです。 昔の映画に出てきた番号に電話したら、相手に繋がってしまうかもしれないので注意しましょう。

架空の電話番号を用意する理由

いたずら電話

フィクションに架空の電話番号を使う理由は「いたずら電話の防止」と「作品の臨場感を保つ」ためです。

いたずら電話の防止

自分が見た映画やドラマに電話番号が出てきたら、そこに電話をかけてみようとする人が少なからず出てきます。

それが実際に誰かの所有している電話番号だと酷い迷惑がかかってしまいますが、架空の電話番号はそれを防ぐのに一役買っています。

作品の臨場感を保つ

日本の創作においては電話番号の一部を「03-3134-XXXX」といった具合に伏字にすることが多いですが、こう見せられると「これは創作です」と言われているような気がして白けてしまいます。

しかし架空の電話番号であれば、伏字を使わずにそれらしい番号を表現することで作品の臨場感が保たれるのです。

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