天の川の織姫と彦星は14光年離れていて七夕に逢うのは無理

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七夕の伝説によると織姫と彦星は神の怒りを買って天の川で分け隔てられ、7月7日の七夕の日にのみ逢瀬を許されました。 七夕になるとカササギが集って天の川に橋を作り、それによって川を渡れるようになるそうです。

でも織姫と彦星って距離が遠すぎて、1日のチャンスで会うのはまず無理なんですよね。 14光年も離れているので、光速で移動してもとても間に合いません。

七夕の物語と現実

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織姫と彦星の物語

天の川には神様が住んでおり、神様には織姫という美しい一人娘がおりました。 織姫は神々の着物を作る仕事をしており、その出来栄えはそれは見事なものでした。

織姫が年頃になると神様は織姫の夫となる男を探し、彦星という牛飼いの若者を見つけます。 二人はたちまち愛し合うようになり、結婚して仲睦まじい夫婦となりました。

しかしこの二人、あまりに仲が良すぎて仕事をサボって遊ぶようになりました。 おかげで神々の着物はボロになり、ウシも碌に世話をされずほったらかしです。 まわりの神々から苦情が来たこともあって神様は大変怒り、二人を天の川で隔ててしまいました。

しかし別れ別れになった二人は互いの事を考えてばかりで、結局仕事に手が付きません。 そんな二人を哀れに思った神様は、年に1度の七夕にだけ会っても良いと言います。

七夕の日には沢山のカササギがやってきて、天の川にカササギの橋を作ります。 こうして二人は七夕の日にだけは織姫は天の川を渡って彦星の下へと行けることになり、一生懸命仕事をするようになりましたとさ。 めでたしめでたし。

織姫と彦星の現実

天文学的に言うと織姫はこと座のベガ、彦星はわし座のアルタイルを指します。 どちらも地球からよく見える1等星であり、天の川の両岸にあります。

一見すると二つの星は近くに見えますが、実際の所は距離にして14光年離れています。 光年とは光の速さで進んだ時の距離単位であり、14年光年は光が14年かけて進む距離です。 キロ換算すると133兆kmであり、これは地球を30億周したり、地球と海王星を1万5千往復できるほどの距離です。

14光年もの距離があった場合、対岸に見える互いの映像も14年前のものが写ります。 映像とは光であり、光が届くのに14年かかる距離なら見える映像にも14年のタイムラグが発生します。 もし向こう岸に6歳の子が見えたら、その子の現時点の年齢は20歳になっています。14光年とはそれぐらいとんでもない距離なのです。

そんな二人の橋になるカササギもまた膨大な数が必要になります。 カササギはせいぜい体長50cm、橋をかけるのには膨大な数のカササギを要することでしょう。

そしてカササギの橋が問題なく完成したとしても、14光年という膨大な距離を何とかしなければなりません。 伝承によると織姫が彦星の下へ向かうそうなので、織姫が14光年移動してイチャイチャしてまた14光年移動するのを1日でこなさなきゃならない訳です。 大変ですね。

そんなこんなで七夕に織姫と彦星が逢うのは無理という話でした。

京都や仙台で七夕祭りが8月に行われる理由

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七夕とは中国の行事が周辺国に伝わったものであり、東アジアや東南アジアの一部の国々でお祭りが開催されています。 日本に伝わったのは奈良時代と言われ、それから独自の変遷を遂げて今に至ります。 なお七夕のメインイベントである短冊に願い事を書いて吊るすイベントは、江戸時代頃に生まれた日本特有のものであり他国では見られません。

七夕は7月7日に行われる行事ですが、国や地域によって開催時期がずれるのはご存知でしょうか? 例えば日本においても京都や仙台では8月7日前後に七夕祭りが催されています。

これは旧暦と新暦のどちらに倣うかの違いによるものです。 七夕は7月7日の行事ですが、古来は旧暦(太陰太陽暦)の7月7日に行われていました。

日本は明治に旧暦から新暦(太陽暦)に切り替えましたが、新旧暦には1か月程度の差があります。 旧暦の7月7日は新暦における8月始め~終わりの間であり、新暦の7月7日に行われる七夕は伝統的なものと比べて1か月程度早く行われることになります。 我々は生まれた時から新暦なので何も感じませんが、切り替わった当時の人々は違和感を覚えたことでしょう。 織姫だっていきなりカレンダーが1月ずれたら困ります。

8月に開催される七夕は新暦ではなく古来の季節感で行いましょうというもので「伝統的七夕」などと呼ばれています。 もっとも太陰太陽暦の日付は太陽暦に換算すると安定しないので、大よその季節感でしかありませんけどね。 旧暦の七夕(7月7日)を新暦に換算すると2018年なら8月17日ですが、2019年には8月7日、2020年には8月25日と若干ずれます。

そんな訳で七夕祭りが8月にも開催されている理由は、旧暦の季節感に合わせるためでした。

旧正月は太陰太陽暦の正月

七夕とは関係ありませんが、ついでなので旧正月の話をしておきます。

アジアの多くの国では1月終わり~2月始めぐらいに春節(正月)を祝っています。 日本ではこれを旧正月なんて表現していますが、これが何なのかと言えば旧暦(太陰太陽暦)の1月1日なんですね。 日本も江戸時代までは旧正月こそが正月でしたが、それが新暦導入によってひと月ズレたのです。

アジアの国々もカレンダーは新暦を採用していますが、伝統的なお祝い事や行事は旧暦でされることが多いです。 だから日本と他の国では正月がひと月ほどズレてしまっている訳です。

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