スーパーの卵を温めても孵化しない理由は無精卵だから
鳥の卵を温めるとやがて孵化して雛が産まれます。 ということはスーパーで売っている卵も温めればひよこになるのでしょうか?
答えは「いくら温めても孵化しない」です。なぜならスーパーの卵は有精卵ではないからです。
有精卵と無精卵
スーパーなどで売られている卵は無精卵といって、交尾せずにメスだけで産んだ卵です。 人間が長年品種改良した結果、ニワトリはメスだけでも卵を産めるようになりました。 人間の女性における排卵のようなものだと考えてください。
しかもニワトリはほぼ毎日産卵します。 卵を温めている間は新たな卵を産まなくなりますが、人間が回収してしまうので翌朝にはまた卵を産むのです。
ニワトリの卵を取り扱っている場所にいるのは基本的に全てメスのニワトリです。 有精卵を売っているところは別ですけどね。
有精卵と無精卵は味も栄養もほとんど変わりませんが、価格は有精卵の方が高いです。 一体何が違うのかと言えば生産コストの違いでしかありません。 ニワトリを孵化させる目的で買うならともかく、料理のために有精卵を買うのはあまり意味がないということですね。
有精卵と表示して売るには、以下の条件を満たさなければなりません。
複数の成雌鶏に複数の成雄鶏(雌100羽に対して雄5羽以上)を混飼し、自然交配可能な飼育環境(平飼い・放飼い)にある場合について表示できる。
ケージ飼いで効率よく卵を生産できる無精卵に対し、有精卵はオスを混ぜた上でニワトリを放し飼いにしなければなりません。 有精卵はオスの育成と平飼い・放し飼いに余計なコストがかかるので、無精卵に比べて高価になってしまいます。
そんな訳でスーパーで売られている(有精卵と書いていない)卵は無精卵であるため、温めても孵化しません。 ニワトリが欲しければ有精卵を買いましょう。高いといってもそんなに高価なものではなく、1個50~100円ぐらいで手に入ります。 有精卵そのものよりもニワトリを育てるのにコストがかかりますけどね。
スーパーのウズラの卵を温めたら孵る?
時々「スーパーのウズラの卵を温めたら雛が生まれた」という話を聞きます。 ウズラもニワトリのようにメスだけで卵を産ませるので基本的に無精卵ですが、実は有精卵が混じっている確率がニワトリよりは高いのです。
ニワトリのオスとメスを見分ける場合、トサカが大きければオスで小さければメスなので一目瞭然です。 もし産卵場にオスが混じっていれば、さっとつまみ出されます。
それに対してウズラはオスとメスの区別が難しい鳥です。 なので時々ウズラ小屋にオスが混じってしまい、無精卵のはずなのに有精卵になっていることが稀にあるようですね。
もし運良く有精卵が手に入れば温めれば孵化しますが、パッと見では見分けが付きませんし可能性もあまり高くはないでしょう。 孵化させたければ素直に有精卵を買いましょう。