アメリカ大陸の先住民はモンゴロイド
人類を骨格・髪・皮膚・髪などの特徴によって分類したものを「人種」と言います。 分類方法はいくつかあり細かく分けるとキリがないのですが、その一つに人類を三つに分けた三大分類があります。 白人種の「コーカソイド」、黒人種の「ネグロイド」、黄色人種の「モンゴロイド」と分けたものです。
さて、モンゴロイドがいる地域はどこでしょう? こう質問されると「アジア」と答える人がいます。 もちろんアジアにもいますが、それだけではありません。
実はアメリカ大陸の先住民もオーストラリア大陸の先住民もモンゴロイドです。 アジアで発生したモンゴロイドがなぜオーストラリア大陸やアメリカ大陸にいるか、考えれば分かるはずのことですが意外ですよね。
アメリカ先住民はモンゴロイド
数百万年前にアフリカ大陸で誕生した人類は、長い時間をかけて少しずつ活動範囲を広げていきました。 まずアフリカ、次にヨーロッパやアジアと広がり、5~6万年前には東アジアにまで到達しました。
日本に現生人類が来たのも3~5万年前頃の事です。 その頃は氷河期であったため海面が現在よりも低く北海道と大陸が陸続きになっており、我々の祖先はそこを通って大陸から日本へ渡って来たと考えられています。 そして氷河期が終わって海面が上昇して日本列島が大陸から切り離され、日本が成立した訳ですね。
氷河期時代と現代を比べると「今は海だけど昔は陸だった」場所が色々あります。 東南アジア諸島やオーストラリア大陸もユーラシア大陸と陸続きであり、6万5000年前~4万年前頃にはオーストラリア大陸へ人類が到達しています。 そして同じく陸続きだったのがユーラシア大陸とアメリカ大陸を隔てるベーリング海峡です。
ユーラシア大陸の東に到達した人類は、陸続きだった今のベーリング海峡を渡って1万5000年前頃にアメリカ大陸に渡ったのです。 そしてそのままアメリカ大陸に広がり、8000年前頃にはアメリカ南端まで到達しました。
アメリカ大陸に渡った人類は1万5000年前までアジアにいたので人種分類的にモンゴロイドです。 つまりアメリカ大陸の先住民はモンゴロイドであり、我々日本人と比較的祖先が近い関係にあるんですね。
アメリカ先住民が我々アジア人と同じモンゴロイドとは、考えれば当たり前のことではあるんですが意外な気もしますよね。 「アメリカ大陸先住民の人種は何でしょう?」と聞かれて考えれば答えが分かる人は多いと思いますが、普段はそこに意識が行っていないのでモンゴロイドだと言われると意外に感じます。
アメリカ大陸は大航海時代以降コーカソイドやネグロイドも入植し、純モンゴロイドの占める割合は少なくなりました。 特にアメリカ合衆国はコーカソイドの国というイメージがありますが、それはあくまで大航海時代以降の話で、古くはモンゴロイドが生息していた場所なのです。