この世にヤード・ポンド法が蔓延しているのはアメリカのせい

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日本では距離にメートル、重さにキログラムの単位を使っています。 いわゆるメートル法というやつです。

しかし時々、普段あまり使わない単位を聞く機会もあります。 例えばゴルフで距離をヤードと言ったり、肉の重さをポンドと言ったりします。

これは海外にヤードやポンドを使っている国があるためというのは察しが付くと思います。 しかし実はヤード・ポンド法を採用しているのはほぼアメリカ一国であり、アメリカの影響力が強すぎるためにヤードやポンドが未だに残り続けているのです。

メートル法とヤード・ポンド法

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世界的に使われている単位系には主に「メートル法」と「ヤード・ポンド法」の2種があります。

「メートル法」は長さはメートル、重さはキログラムを基準としています。 対して「ヤード・ポンド法」では長さはヤード、重さはポンドを基準としています。

昔はそれこそ地域ごとに色々な単位があったようですが、遠国との取引が活発になるにつれて不便が出てきます。 何十個も単位があるといちいち計算するのも面倒ですし、同じ呼称の単位でも地域によって差異があるものもありました。

そこで18世紀にフランスが国際的に統一された標準単位の策定に乗り出します。 それこそが世界中で広く使われている「メートル法」です。

メートル法では1メートルを北極点から赤道までの子午線弧長の1000万分の1と定義し、それを基準に各単位が作られています。

すんなり広まった訳ではありませんがメートル法は徐々に普及し、1875年には西欧を中心とした17か国が集まって皆でメートルに統一しましょうというメートル条約が締結されました。 加盟国は時代を下るごとに増え、日本も1885年に加盟しています。こうして世界的な標準単位としてメートル法が普及したのです。

アメリカに根強く残るヤードポンド法

メートル法が普及しても旧単位が根強く残ることは珍しくありません。 例えば日本においても尺貫法(尺、坪、升など)がメートル法と並行して使われていますよね。 慣れ親しんだ単位の方が分かりやすいこともあって、完全に他の単位系が無くなった訳ではないのです。

中でもよく聞くのが距離をヤード、重さをポンドで表した「ヤード・ポンド法」です。 日本人のほとんどがヤードやポンドがどれぐらいなのかを理解していないにもかかわらず、日本国内でも時々聞くことがありますよね。

それではヤード・ポンド法は広く使われているのかと言えばそんなことはありません。 ヤード・ポンド法を現在も使っているのはほぼアメリカ一国のみと言っても過言ではありません。

アメリカはメートル条約の初期加盟国の一つであり、アメリカ国内でメートル法が使われていない訳ではないです。 しかし慣習的に使われてきたヤード・ポンド法を支持して使い続ける人が多く、今なおデファクトスタンダードであり続けています。 もちろんメジャーや体重計なんかもヤード・ポンド法仕様です。

そんなアメリカは最も世界中に影響を及ぼしている国のひとつです。 だからこそヤード・ポンド法に馴染みのない日本においても、それなりによく聞く単位になんですね。

スポーツ、食料品、家電製品、映画や番組、流行や文化などを通して、アメリカは世界に向けてヤード・ポンド法を発信し続けています。 アメリカたった一国でこれだけ食い込んでくるのですから、アメリカの影響力の巨大さを実感させられますね。

ヤード・ポンド法の単位一覧

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参考までにヤードポンド法で使われている単位は以下の通りです。 覚える必要は全くありませんが、まあざっと眺めてみてください。 いくつか聞いたことのある単位も混じっていると思います。

長さの単位

長さ単位の比較メートル法換算
1マイル8ハロン1.6093km
1ハロン10チェーン201.17m
1チェーン22ヤード20.117m
1ヤード91.44cm
1フィート1/3ヤード30.48cm
1インチ1/12フィート2.54cm

質量の単位

重さ単位の比較メートル法換算
1ポンド453.59237g
1オンス1/16ポンド28.35g
1グレーン1/7000ポンド64.799mg

面積の単位

面積メートル法換算
1エーカー1ハロン * 1チェーン4046.9m2

体積の単位

体積単位の比較メートル法換算
1バレル42ガロン159l
1ガロン(231立法インチ)3.7854l
1クォート1/4ガロン946.35ml
1パイント1/2クォート473.18ml

各単位が10進法ではないため覚えにくく、こんな単位で不便はないのかと思ってしまいますよね。 しかし日本に残っている尺貫法も10進法でない単位が多いので、あまり人のことは言えません。 日常的に慣れ親しんだ単位が一番使いやすいということでしょう。

しかしヤード・ポンド法に馴染みのないアメリカ以外の国々からすれば、もう少しメートル法を普及させる努力をして欲しいものですよね。

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