害虫の代表格「蚊」の意外な益虫としての側面

mosquitoes

暑い季節になると飛び回って血を吸っていく蚊。 皆から嫌われている害虫の代表格です。

しかし実はこの蚊、益虫としての側面も持っています。 汚れた水を浄化する、植物の受粉役を担うなど、生態系の一旦を担っているので絶滅するとそれはそれで困る生物でもあるのです。

なんか害虫っていなくなると実は困るってやつばかりですね。

蚊の害虫としての側面

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まず蚊と言えば吸血です。 メスの蚊は妊娠すると出産の栄養補給のため血が必要になります。 吸血は動物に管を差し込んで行いますが、その際に痛みを感じさせない麻酔の役割を持つ唾液を注入します。 唾液には血液を凝固させない作用もあり、このおかげで蚊は血液を長時間液体のままお腹に入れて栄養にできるのです。

この唾液は動物にアレルギー反応を起こし、刺された場所がぷっくら膨れてかゆくなります。 夏になると何か所も刺されて体中かゆくなったりしますよね。これが蚊の害虫としての側面を強く感じさせます。

更に蚊は吸血する際に病気や寄生虫も一緒に持っていくキャリアでもあります。 世界の生物による殺人の約半数を担っているのが蚊であり、2位の人間自身を大きく引き離してNo1殺人生物の座を不動のものとしています。

また蚊は不潔な場所で繁殖・生活する生物です。 まあ野生動物なんて似たり寄ったりではありますが、ヘドロの水たまりの周囲を飛び回る蚊の姿などからそんな印象を強く受けます。 実害のみならず不快害虫としても認知されています。

こんな害虫としての側面を持つ蚊ではありますが、実は生態系の中でも重要な役割を担う生物でもあります。 今度は蚊の益虫としての側面を見てみましょう。

蚊の益虫としての側面

Mosquito larva

汚れた水を浄化する

蚊は水中に卵を産み、孵化すると「ボウフラ」と呼ばれる幼生が産まれます。 ボウフラは水中で生活しながら大きくなって、やがて十分に成長すると羽化して蚊になり飛んでいきます。

ボウフラはメダカやオタマジャクシにすら食べられるような脆弱な存在であり、蚊はなるべく他の生物が住めないような汚れた水の中に産卵します。 ボウフラは水中の有機物やバクテリアを食べて成長し、やがて蚊となって飛び立ちます。 言い方を変えれば水中の汚れを食べて成長し、その汚れと共に出て行きます。

蚊は不潔な場所に沸く不潔な生物と認識されていますが、不潔な場所の掃除屋とも言える訳です。

花粉の送粉者となる

蚊は成虫になると花の蜜や果汁を吸って生活するようになります。 つまり一般的な花の蜜を吸う昆虫と同じように植物の受粉役の一旦を担う訳です。

受粉を昆虫に頼っている植物は多く、昆虫が少なくなればそれだけ受粉のチャンスも限られます。 特に都会などの虫が生息しにくい場所では、植物の成長には申し分ない環境なのに受粉できないケースも考えられます。

しかし蚊は都会だろうが水や空気が汚かろうがたくましく生きていけます。 そんな場所で蚊は貴重な植物の受粉役となっている可能性もあるんじゃないでしょうか。

まとめ

蚊が生態系に果たしている役割は少なくありません。 もし蚊が絶滅してしまうと汚れた水が中々浄化されなくなったり、一部の植物の繁殖に影響したりします。

蚊といいゴキブリといい、害虫って「不快だけど実はいないと大変なことになる」ものばかりですね。 まあ益虫としての側面を知ってなお嫌悪感が沸くから害虫と呼ばれるんだとは思いますが。

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