人間はチンパンジーより弱く、ニホンザルと同じぐらいの強さ
人間は素手でどこまでの動物と戦えるでしょうか。 誰もが一度は考える事ですが、しかし異種との強さを比較するのは中々難しいものです。
なので比較的種の近い霊長類と基本データを比べてみます。 霊長類は身長・体重の他に握力も測定されている種が多く、体が人間と近いこともあって他の動物よりも比較しやすいです。 さて人間はどの程度の強さになるでしょうか…
霊長類の強さランキング
1位:ゴリラ
身長180cm、体重150kg、握力500~600kg
霊長類最強はアフリカの熱帯雨林に生息するゴリラです。 霊長類の中で最も大きく重く、それがそのまま戦闘力になっています。
この握力で人間が握られてしまえば、腕だろうが頭だろうが簡単にその部位が骨ごと潰されてしまいます。 この巨体から繰り出される体当たりや叩きつけも耐えられえるようなレベルではないでしょう。 文句なしで霊長類最強の動物と言えます。
そんなゴリラですが主食は植物と昆虫などの小動物です。 性格も穏やかで気は優しくて力持ちな存在です。
ちなみにゴリラは霊長類最強ではありますが動物で最強という訳ではなく、ゾウ、サイ、カバ、大型のネコ科動物には劣ります。 よく天敵のヒョウに食べられていますしね。
2位:オランウータン
身長100cm、体重80kg、握力350~500kg
霊長類2位はアジアの熱帯雨林に生息するオランウータンです。 知能の高さを伺える行動があり、森の賢人とも評されています。
ゴリラに次ぐ体格を持ち、樹上生活で培われた握力はゴリラに勝るとも劣りません。
特に顔の左右にコブ(フランジ)がある個体は強いです。 これは強いオスにしか表れないもので、これを持つ者は名実共にその地域のボスなのです。
文句なしの第2位でしょう。
3位:チンパンジー
身長80cm、体重50kg、握力200~300kg
霊長類3位はアフリカの熱帯雨林に生息するチンパンジーです。 サルの中では人類と近い関係にあり、高い知能を持っています。
体格は人間の子ども程度のものですが、樹上生活で鍛えられた筋力は比べ物になりません。 2017年時点で人類最強の握力を持つ人の記録は192kgですが、これは平均的なチンパンジーにも及びません。 それだけ筋肉の質が違うのです。
また霊長類の中では肉食傾向が強く性格も獰猛です。 共食いをしたり人間に噛みついたりと、その類のエピソードには事欠きません。
霊長類多しとは言え、チンパンジーに勝てる種はそうはいないと言えます。 第3位へランクインです。
4位争い勢
上位3種には体格が劣るため戦闘力は劣るものの、それなりに大きく強いサルは他にも沢山います。
4位争い勢として挙げられるのはマンドリルやマントヒヒでしょうか。 ヒョウと縄張り争いをしているほどで、1対1では勝てませんが群れで戦って撃退することすらあります。
ただ体重が20~30kg程度なので、倍の重さがあるチンパンジーには流石に劣ると思われます。 しかし時折見せる鋭い牙や強靭な筋肉はその戦闘力の高さを伺わせるのに十分なものです。
噛みつかれたら人間の柔肌ではひとたまりもありません。 動物園の飼育員が噛まれて何十針も縫う酷い怪我を負うこともあります。
全然人間が戦えそうなのがいませんね。 それでは人間がどの程度のサルとなら戦えるのかと言えば、まあニホンザル相手なら何とかなるかもしれません。
人間はニホンザルと同じぐらいの強さ
人間は体格だけ見れば霊長類の中でもゴリラ未満オランウータン以上と屈指の大きさを誇りますが、人間の強さは前項で挙げたサルと比べると明確に劣ります。 残念ながら体重の割に弱いのが人間なのです。
人間は同じ重さの動物には勝てないどころか、10kgを超える野生動物に素手ではまず敵いません。 強さ的には大体10kgの草食動物、または5kgの肉食動物相当って所でしょうか。 残念ながら素手では中型犬の方が遥かに強いのです。
そんな人間と同じぐらいの強さだと思われるサルがニホンザルです。 近くで見るとそれなりに大きく強そうですが、しかし人間を相手にして勝てると言えるほどではないでしょう。
ニホンザルは身長60cmで体重は10kgそこそこと、体格だけ見れば人間の1歳児並みです。 地上棲で握力も30kg程度であり、成人と比べると大したことはありません。
食性も草食寄りの雑食であり、小動物や昆虫ぐらいは食べても中型以上の動物を襲うことはまずありません。 そんな生活なので牙や爪も肉食獣のような強靭なものではなく、つまりニホンザルは本質的に戦闘向きではないのです。
群れとして見ればそれなりに脅威でも、単体での強さは高々知れています。 これなら人間でも流石にウェイトの差で戦えるでしょう。
まあ勝てるかどうかはともかく、自分より大分小さなサルに向かって本気で攻撃するのは絵面としてどうなんだという気はしますけどね…