セミはとても長生きで、中には17年生きるのもいる

cicada

短命の儚い命の象徴とされるセミ。夏の風物詩ですね。 夏の始まりにミンミン鳴きだし、夏が終わる頃にはその一生を終えます。

短命なイメージが強いセミですが、実はとっても長生きなんです。 平均的なセミでもそこらの昆虫よりずっと長生きですし、中には100万種もの昆虫の中でも屈指の寿命を持っているセミもいるんです。

セミの一生

cicada

セミは夏になると土の中から出てきて羽化して成虫となり、繁殖活動を行って土に卵を産みます。 成虫の姿で活動する期間は1か月ほどで、夏の終わりにはそこら中でひっくり返っているセミを見ることができます。

卵が孵化するのは種類にもよりますが秋~翌春頃で、幼虫になると土の中に潜って生活します。 幼虫は木の樹液を吸って成長し、地下生活の中で数回の脱皮をしながら成長していきます。

十分に成長すると夏に地上に出て、木の上などの襲われにくい高所で羽化して成虫となります。 そしてまた繁殖活動を行い、成虫になって1か月ほどでその生涯を終えます。

成虫として1か月ほどしか生きられないセミのどの辺が長生きなのかと言えば、幼虫時代の地下生活がとても長いのです。 幼虫の期間は種によってもまちまちですが、セミはおおよそ以下の間を土の中で幼虫として過ごします。

セミ地下生活の期間
ツクツクボウシ1~2年
ミンミンゼミ2~5年
アブラゼミ2~5年
クマゼミ4~5年

同じセミでもバラつきがありますがこれは環境による成長差です。 快適な環境なら成長も早くなり成虫になるまでの期間も短くて済みますが、逆に条件が悪ければ長い時間を幼虫として過ごして成虫になる準備をします。

「セミの寿命が短い」とか「セミに儚さを感じる」とかは、セミの成虫期間の短さから言わているイメージではないかと思います。 でも実際は幼虫でいる期間が長いため結構長生きなのです。

昆虫の中には春に卵から孵化して夏に繁殖活動を行って冬を迎える前に死んでしまうものが沢山います。 それらと比べるとセミの中で比較的寿命の短いツクツクボウシですら寿命が3~4倍はあります。 セミは昆虫の中でむしろ長生きな方なのです。

中でも北アメリカには十年以上生きるセミがいます。それをご紹介しましょう。

やたら長い幼虫期間を持つ周期ゼミ属

北アメリカにいるセミの一種に周期ゼミ属と呼ばれるものがいます。 こいつらは幼虫でいる期間がとても長いため、従って寿命がとても長いです。

セミ地下生活の期間
ジュウサンネンゼミ13年
ジュウシチネンゼミ17年

名前の通りジュウサンネンゼミは13年、ジュウシチネンゼミは17年もの寿命を誇っています。 10年以上生きられる昆虫はそう多くはなく、特にジュウシチネンゼミの寿命17年は100万種を超える昆虫の中でも指折りの長寿です。

なおこの周期ゼミ、地上に出てくるタイミングは一地域内では皆同じなので地域住民の目に触れるのは周期年ごとです。 もしあなたがこのセミの生息地域で生活している場合、近所でジュウサンネンゼミを見かけるのは13年に一度、ジュウシチネンゼミを見かけるのは17年に一度しかありません。 (周期ゼミ以外は普通に毎年出てくるので、セミ自体を見かけない訳ではないですが)

「今年はやけにセミが多いな」と思ったら周期ゼミが原因です。 大発生年は木や壁が一面セミだらけになり、足の踏み場にも困るでしょう。

なぜ周期的に大発生するのかといえば、捕食者に襲われる可能性を減らして種を繁栄させるためです。 もし周期セミが普通のセミと同じように毎年出てきた場合、一定数は捕食者に食べられてしまいます。 セミが増えるほど捕食者の食料が豊かになり捕食者の数も増えてしまうので、結局あまり増えることができません。

しかし定期的にある年だけ大発生した場合、捕食者の数が少ない∧セミの数が多い状態を作ることができます。 捕食者は大発生年に豊富なエサにありつけますが、その時点では捕食者の数は限られているので十分な数のセミが生き残ります。 豊富なエサにありつけた捕食者は沢山の子を産み一時的に数を増やしますが、翌年以降はセミが出てこなくなるのでエサが足りずにまた数を戻します。

そして捕食者の数が元に戻ったタイミングで次の周期年に出てくるという訳です。 このセミたちはあまりにも数が多いので捕食者はほとんどが満腹になってしまい、それを分かってかセミ側もいちいちも逃げないほどに大発生します。 人間も周期ゼミが沸いてくると、捕まえて炒めたり揚げたりチョコでコーティングしたりして食べます。

ちなみにこの周期ゼミ2種は生息域が重なっており、13×17=221年に一度のタイミングで両者が同時に大量発生します。 ただでさえ大発生する周期ゼミが更なる大発生で町中大変なことになり、町がお祭り騒ぎになったりニュースに取り上げられたりします。

こんな不思議な生態からか今日まで生き残り、屈指の長寿昆虫として名を連ねているのです。 周期ゼミの大発生を見たらセミは儚いなんて感情は吹き飛んでしまうことでしょう。

\share/

よく読まれている記事