子どもの頃の印象と全然違う!童謡の雑学いろいろ
童謡は大人から子どもに伝えられる、子ども向けのわらべ歌です。 皆さんも子どもの頃には、数えきれないほどの歌を何度となく歌ったことと思います。
子どもの頃には深く考えずに歌っていましたが、調べてみると意外な発見があるものです。 そんな童謡の雑学をお話します。
目次
「アイアイ」は不気味な見た目をしている
「アイアイ」は可愛いアイアイが軽快な音楽と共に楽し気に踊る歌です。 動画のアイアイは日の下で踊り、とても愛らしい見た目をしていますね。
しかし実際のアイアイは夜行性で、日中に激しく動き回ることはほとんどありません。 その見た目も愛らしいとは言い難く、全身を覆う黒い毛、ギョロっとした目玉、異常に長い中指など、一見して「怖い」動物です。
アイアイの地元マダガスカルでは、不吉の象徴とか悪魔の使いとか言われています。 これは見た目のイメージによる言い掛かりですが、それだけ怖い外見なのです。
「森のくまさん」の原曲はクマが追いかけてくるだけ
「森のくまさん」は森で迷った少女がクマさんと出会う歌です。 クマさんが落とし物を届けてくれたり、そのお礼に少女が歌ったりと、和やかな雰囲気の歌ですね。
この歌はアメリカの民謡「The Other Day I Met a Bear」を翻訳したものですが、原曲はもっとスリリングな内容です。 クマさんが「君は銃を持っていないようだが、なぜ走らないんだい?」と煽り、少年が全力で逃げる話です。そこに和やかな雰囲気は全くありません。
原曲版と翻訳版は二番までほぼ同じ行動です。 しかし翻訳版は襲う気がないのに「お嬢さん、お逃げなさい」なんて言うあたり、路線変更で矛盾が生じているように思います。
「ゆびきりげんまん」は重い
「ゆびきりげんまん」は約束する時に二人の右手の小指を絡ませながら歌われます。 実はこのゆびきりげんまん、約束を反故にするとかなり重い罰を受けることになります。
「ゆびきり」とは「指切り」のことで、遊女が愛を告白する際に自分の小指を切り取って渡したことに由来します。 「げんまん」は「げんこつ一万回」の略です。
そして嘘付いたら飲まされるハリセンボンですが、これはフグのハリセンボンとも、針が千本とも言われています。 ハリセンボンは無毒なフグですが飲めるような代物ではありませんし、針が千本なら尚更です。
「ゆびきり」「げんまん」「ハリセンボン」、そのどれもが相当重い罰です。 これらを組み合わせて「ゆびきりげんまん」となり、「もし約束を違えれば重い罰を受ける≒約束は絶対守る」という誓いになります。
「ロンドン橋落ちた」のロンドン橋は、実際何度も落ちている
「ロンドン橋落ちた」はロンドン橋の破壊と再生を繰り返す歌です。 ロンドン橋が落ちては修理し、雨に流されては修理し、曲がっては修理し…といくら修理しても落ち、どうすれば落ちないのか分からないまま終わります。
このロンドン橋はイギリスのテムズ川にかけられた橋のことを指しています。 10世紀頃のロンドン橋は戦争で焼かれてはかけ直し、嵐で壊れてはかけ直し、火事で焼けてはかけ直しと、破壊と再生を繰り返しました。 これを元に作られたのが童謡「ロンドン橋落ちた」になったと考えられます。
なお頻繁に落ちていたのは12世紀頃までの話で、以降のロンドン橋は落ちることはなくなりました。
「クラリネット壊しちゃった」でクラリネットは壊れていない
パパから貰ったクラリネットが、壊れてどんどん音が出なくなる歌です。 しかし実はこのクラリネット壊れていません。
サビに「オ パッキャマラド」という意味不明な呪文のようなものがあります。 これは原曲のフランス語「au pas camarade」そのままで、日本語では「自分のペースで頑張れ友よ」の意です。
壊れたクラリネットでいくら頑張っても音は出ないのに「頑張れ」とは不思議なアドバイスですよね。 これはクラリネットの音が出ないのは「少年が下手くそだから」と解釈でき、つまりクラリネットは壊れていないのです。