客寄せの「盛り塩」は、宮女が皇帝を呼び込もうとしたことに由来

小皿の上の山盛りに塩を盛りつけたものを「盛り塩」と言います。 ゲン担ぎの儀式として行われているもので、「商売繁盛・千客万来」や「厄払い・お清め」の意味があります。

盛り塩の効果が二通りなら由来も二通りで「中国皇帝の故事が由来説」と「神道由来説」があります。 由来を知れば盛り塩が行われる意味を理解しやすくなります。

千客万来を願う盛り塩

飲食店、宿、夜のお店などの入口に盛り塩が置かれているのを見たことはあるでしょうか。 この盛り塩は商売繁盛・千客万来の意味で置かれています。

この由来とされているが中国・晋の皇帝である司馬炎のエピソードです。

晋は三国志で有名な魏の皇帝から皇位を譲り受けて(というか無理矢理譲らせて)成立した国です。 蜀は既になく残った呉を滅ぼして中国を統一しました。司馬炎はそんな大国の皇帝で、そして大変な女好きでした。

役人の娘たちを宮女にしたり、滅ぼした呉の宮女を入れたりして、その後宮には1万人もの宮女たちがいたとされています。 そんな後宮を司馬炎は羊車で周り、羊が止まった部屋の女と夜を供にしていました。

そんな中である宮女が一計を案じて、玄関に竹の葉を挿し塩を盛りました。 羊はその屋敷に差し掛かると竹の葉と塩を食べるために立ち止まり、まんまと皇帝を招くことに成功したのです。

盛り塩はこの故事にちなんで、商売繁盛・千客万来のおまじないとなったとされています。

同じような話の始皇帝説もありますが、内容はほとんど同じです。 車を引かせる動物が羊から牛に変わっているぐらいですね。

穢れを祓う盛り塩

事故や不幸があった時や不運が続いた時にも、盛り塩が置かれることがあります。 この盛り塩は厄払い・お清めの意味で置かれています。

この由来とされているのが、日本の土着信仰である神道あるいは土着文化です。

日本では塩に穢れを祓い清める力があると考えられています。 古くは日本最古の書物「古事記」に、黄泉の国から帰ってた伊邪那岐命が、穢れを祓うために海水で禊(潮垢離)をした記述があります。

現代においてもその認識は続いており、盛り塩の他にも様々な儀式的用途に使われています。 神事にて神に捧げる、葬式でお清めの塩を振る、お守りに塩を入れる、嫌な客に塩を撒くなど、その用途は多岐にわたります。

盛り塩が置かれるのもその一環です。 玄関に置くことで外からの邪気を防いだり、内側の穢れを清める効果があるなどと言われています。

以上、盛り塩の話でした。

盛り塩の効果が千客万来と厄払いでは意味が全然違い、悪くすれば逆効果になってしまうような気がするかもしれません。 しかし言ってしまえばただのおまじないなので、深く考えずに自己満足できる形になればそれで良いでしょう。

我が家はあまり信心深くないこともあって、置きたくなったら適当に盛って適当に置いています。 こういうのは気分的な問題なので、気分でやりましょう。

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