人の心を理解できてる?サリー・アン課題でチェック!
他人は自分と違う考えをして、自分と違う意見を持っています。 そんな他人の心を想像し理解する能力を「心の理論」と言います。
心の理論が身に付いているかを確認する、有名なテストをいくつか紹介します。 基本的に子ども向けの内容ですが、大人の方も初心に帰って考えてみてください。
サリー・アン課題
サリーが最初に探すのはどっち?
- 部屋に人形、箱、カゴがあります。
- サリーは箱に人形を入れ、部屋から出ていきました。
- アンは箱から人形を取り出し、カゴへ入れました。
サリーが部屋に戻ってきて人形を探す時、まずどこを探すでしょう?
解説は下の方…
人形が入っているのはカゴですが、サリーはアンが人形を移したことを知りません。 なのでサリーが最初に探すのは、自分が人形をしまった「箱」です。
通過目安は4~5歳です。
スマーティー課題
チョコの箱の中身は?
- 親「チョコレートの箱の中は何だと思う?」
- 子「チョコ!」
- 親「残念、鉛筆でした。友達に同じ質問をしたらなんて答えると思う?」
子は親の質問に何と答えるでしょう?
解説は下の方…
箱の中身は鉛筆ですが、友達はその情報を知らないので「チョコ」と答えるでしょう。 ちなみに課題名のスマーティーはチョコレート菓子の製品名です。
通過目安は4~5歳です。
アイスクリーム屋課題
少女が向かう先は?
- 公園で少年と少女が遊んでいると、アイス屋が来ました。
- アイス屋は「しばらく公園にいる」と言うので、少年は親にお金を貰うため帰りました。
- 少年が家に戻ると両親がいなかったので、帰ってくるまで待つことにしました。
- しばらくするとアイス屋は「売れ行きが悪いから教会に行く」と少女に伝え、公園を出ていきました。
- 家にいた少年は家の前をアイス屋が通るのを見かけ、教会に行くことを教えてもらいました。
- 少年の両親が帰宅したので、少年はお金を貰ってアイスを買いに行きました。
- 少女は少年が中々戻って来ないのを心配し、少年の家へとやってきました。
- 少年の親は少女に「少年はアイスを買いに行った」と伝え、少女は少年を探しにいきました。
少女は少年を探しにどこへ向かったでしょうか?
解説は下の方…
情報量が多くややこしいですが、必要な情報を抽出すれば大した話ではありません。 少女は『「少年はアイス屋が教会にいることを知っている」ことを知らない』ので、答えは「公園」です。
通過目安は6~9歳です。
悪意のない嘘課題
どうして嘘を付いた?
- 子は誕生日プレゼントにウサギを期待していました。
- しかしプレゼントを開けてみると、中には欲しくもない本が入っていました。
- 母に「気に入って貰えた?」と聞かれた子は「ありがとう。この本とても欲しかったの」と答えました。
子はなぜそう言ったのか、理由を答えてください。
解説は下の方…
プレゼントはあまり嬉しくないものでしたが、思ったことをそのまま伝えると母親を傷つけてしまうかもしれません。 だから「母親を傷つけないため、あるいは喜ばせるため」と考えるのが自然です。
裁量の大きい問題なので「本にウサギが描かれていた」「別に良いことがあった」などの答えでも間違いとは言い切れません。 しかし文脈を無視した回答は心の理論が不完全なことに起因する場合もあるので要注意です。
なお「本当のことを言うと母が怒るから」と回答した場合、心の理解とは別の問題を抱えている可能性があります。 特に自分の子がこう答えたのなら、己の行動を見直す必要があるかもしれません。
まとめ
以上、心の理論チェックテストでした。
本来はイラストや紙芝居などで視覚的に分かりやすく出題するものなので、文章のみだった本稿では難易度が高くなっているかもしれません。 なので不正解だったとしてもあまり落ち込まないでください。
これらの課題は発達障害チェックテストとして有名ですが、あくまで心の機能を見る問題です。 発達障害者にとって理解が難しい類の問題ですが、この問題の正否だけで診断できるほど単純なものではないことは留意が必要です。