【肉食・草食・雑食】食性の違いに見る動物の特徴
動物は普段何を主に食べているかで、肉食動物、草食動物、雑食動物に分けられ、各動物は似通った特徴を持つ傾向にあります。 目の位置、歯の形、胃腸の長さなどが特徴として表れ、そこから何を食べているのか推測することが可能です。
肉食動物の特徴
肉食動物とは動物性のエサを食べる動物のことで、ライオン、トラ、ハイエナ、ネコなどが代表的です。
目が前面に付いている
肉食動物は目が前面に付いています。 これは両目で獲物を捉えて獲物までの正確な距離を測るためです。
片目で物を見ても距離感が上手く掴めないですよね。 肉食動物は遠くにいる草食動物との距離を測って捕まえられそうかを判断したり、追いかける獲物の急所を正確に攻撃したりなど正確な距離感が重要なのです。 だから獲物をしっかりと両目で捉えるために前面に目が付いています。
発達した犬歯と短い消化器官を持っている
肉食動物は犬歯が発達しています。 これは噛みついた獲物を逃さないためで、しっかり捕らえるためにアゴも上下にしか動きません。
他の歯は肉をかみ切るための構造をしています。 肉は植物に比べて消化しやすいので口内で細かく砕く必要はなく、切り裂くことに特化していて歯と歯の間隔も広いです。 また肉は消化も容易なため胃腸も短いです。
草食動物の特徴
草食動物とは植物を食べる動物のことで、ゾウ、カバ、キリン、ウシ、サイ、シカなどが代表的です。
目が側面に付いている
草食動物は目が側面に付いています。 これは肉食動物が襲ってくるのをいち早く察知できるように周囲を広く見渡すためのものです。 人間の視野はせいぜい200°、肉食動物ももう少し広いぐらいですが、草食動物は300°以上の視野を持つものが珍しくありません。
片目で見る範囲が多く正確な距離感は掴みにくいですが、エサの植物は動かないので些細な問題です。 それよりも肉食動物から逃げないと死んでしまうので、いち早く危険を察知して逃げ出すために広い視野を持つことが重要なのです。
発達した歯と長い消化器官を持っている
草食動物は門歯と臼歯が発達し、アゴも上下左右に動きます。 植物を前歯の門歯でかみ切り、奥歯の臼歯でしっかりすり潰してから飲み込みます。
植物は肉よりも消化が難しいので、口内でしっかり細かく砕く必要があります。 また胃腸も肉食動物に比べて長く、肉食動物の数倍の長さの腸を持っています。
ツノを持つ種もいる
草食動物の中にはツノが生えている種もいますが、これは肉食動物にない特徴です。
優れた武器になり得るツノですが、肉食動物が持つと走る時に重くて邪魔です。 ツノは防衛者である草食動物に都合の良い器官なんですね。
雑食動物の特徴
雑食動物とは動物と植物の両方を食べる動物のことで、人間、犬、サルなどが代表的です。
肉食動物と草食動物の特徴を併せ持つ
特性は肉食動物と草食動物の双方を併せ持つ場合が多いです。 どちらに近いかは食事・生活環境・生物分類などに影響されるのでケースバイケースでしょうか。
ただ草食動物ほどの消化能力は備わっておらず、その辺に生えている植物を何でも食べて栄養にするなんてことは難しいです。 肉に加えて野菜・果物・木の実などの消化しやすい植物を食べる動物と考えると良いですかね。
肉食動物が肉のみでは十分な栄養を得られない環境下で進化したのが雑食動物と言えます。
以上、見た目で何となく分かる動物の特徴でした。