この動物は何呼吸?案外知らない動物の呼吸事情

breathing

動物の中には陸上と水中を行ったり来たりしているものがいます。 しかしほとんどの生物は空気中と水中のどちからでしか呼吸する機能を持っていません。

そうなると堂々と双方を行き来する動物の呼吸事情が気になりますよね。 そんな動物たちの呼吸事情をまとめてみました。

クジラやイルカは肺呼吸

whale

クジラやイルカは海で活動しています。 なら呼吸はエラ呼吸…ではなく、肺呼吸をしています。

クジラやイルカは哺乳類であり、祖先は地上で活動していました。 その時に呼吸方法は肺呼吸に変わっており、海に戻って数千万年が経った今でもそれは変わりません。

だから呼吸する際には海上へと上がってくる必要があります。 ただ肺に空気を沢山貯め込めるので、イルカなら数分に1度、大型のクジラなら数十分から1時間に1度の呼吸で活動することができます。

クジラは頭のてっぺんに鼻の穴が付いており、肺の中にある大量の空気を吐き出した時に海水を巻き込んで水柱が立ち、それを我々は潮吹きと呼んでいます。 なおイルカも同様の呼吸をしますが、空気の量や吐く勢いが違うので観測できるほどの水柱にはなりません。

海には他にもシャチ、アザラシ、アシカ、ラッコ、ジュゴン、マナティなどの哺乳類がいますが、全て肺呼吸をしています。

甲殻類はエラ呼吸

crab

カニはよく陸上で歩いている姿を見かけるので空気中で呼吸しているのかと思いきや違います。 カニはエラ呼吸をして水分から酸素を得ています。

エラ呼吸のカニがなぜ地上を歩けるのかと言えば、甲羅の中にある水分を使って地上でもエラ呼吸できるからです。 だから乾くと徐々に呼吸が難しくなり、完全に乾いてしまうと窒息死してしまいます。

カニは甲殻類に分類され、エビ、ヤドカリ、フジツボ、ミジンコなど大部分の甲殻類はエラ呼吸をしています。 ただし例外的にワラジムシやダンゴムシなど一部は空気呼吸をしています。

魚類はエラ呼吸だが一部例外もいる

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魚類は水中で生活しており、その呼吸方法は当然エラ呼吸です。 しかし中には陸上に上がってくる魚類も少数ながら存在します。

代表的なのはウナギ、ナマズ、ドジョウなどですね。 雨の日に出来た水たまりになぜかドジョウが居て「こいつどうやってここに来たんだ?」と疑問に思うこともあるのではないでしょうか。

実はこいつら、雨の日などに陸上に出て水場から水場へ移動することがあります。 皮膚呼吸の占める割合が大きく、体を覆うヌメヌメ成分を通して空気中でも酸素を取り入れることが可能で、短時間ながら陸上でも活動できる訳です。 だから特に湿気の多い日には陸上へ出るこれらの魚を見ることができます。

仲間の中にはウォーキングキャットフィッシュやタウナギのように空気呼吸が可能な種すらいます。 乾燥した地域や水中の酸素が少ない場所で進化してこうなったそうですが、もう数千万年ほど進化したら完全に陸上生活する日が来るかもしれませんね。

爬虫類は肺呼吸

turtle

爬虫類は肺呼吸をしています。 これは水辺近くや水中で活動することの多いカメ、ワニ、ウミヘビなども例外ではありません。

ただし一部の爬虫類は水中からも酸素を取り込む事も可能で、例えばカメは飲んだ水に含まれる酸素を粘膜から吸収することもできます。 これにより水上に出て呼吸する頻度を減らすことができ、また酸素消費量の少ない冬眠中はずっと水中の酸素だけで生きることも可能です。

ちなみにウミヘビと名前が付いている生物群には爬虫類と魚類が混在しており、爬虫類の方は水上で呼吸する必要があるのに対して魚類の方は普通に水中でエラ呼吸します。 魚類のウミヘビはそもそもヘビではなく魚なのですが、混同しやすい原因にもなっています。

両性類は幼生と成体で呼吸方法が変わる

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カエルはオタマジャクシの時は水中で過ごしてカエルになると陸上に出てきます。 それでは呼吸はどうなっているのかと言えば、オタマジャクシはエラ呼吸でカエルは肺呼吸をしています。

両生類の幼生は水中活動に適した構造をしていますが、成体になる時に変態して体を陸上に適した構造に作り変えます。 この時に呼吸方法も変わり、幼生はエラ呼吸だったのが成体は肺呼吸と皮膚呼吸になります。

ただ成体になっても水からそう離れることはなく、水中、水辺、湿った場所などを好み乾いた場所は苦手です。 卵も幼生はエラ呼吸なので水中に産むのが一般的で、あまり水辺から離れません。

昆虫は主に空気呼吸だが例外もいる

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陸生昆虫は空気呼吸で「気門」という器官を通して空気を取り入れています。 気門の付いている場所や数は種によってまちまちですが、基本的には体側面に10対ある場合が多いです。

水生昆虫の一部は気門が退化し、代わりに気管エラと呼ばれる呼吸器を持っています。 これがあると水中でエラ呼吸できますが、全ての水生昆虫が水中呼吸できる訳ではなく、空気呼吸している種も多いです。

タガメやミズカマキリはお尻から出ている管を水上に出し、シュノーケルのように使って空気呼吸しています。 頭を始めとした体の大部分が水の中に入っているので人間から見ると水中呼吸しているように見えますが、お尻の管だけ出しておけば空気呼吸できているんですね。

ゲンゴロウは羽と体の隙間に空気を貯め込んで、酸素ボンベのように使って空気呼吸しています。 これにより長時間の潜水行動が可能になっており、数分に一度の呼吸で活動することができます。

トンボの幼虫(ヤゴ)、カゲロウの幼虫、ミズスマシの幼虫などは気管エラを使って水中呼吸しています。 これらのように幼虫時代に水中呼吸が可能な昆虫はいくつかいますが、成虫になると空気呼吸になります。 成虫になっても完全な水中呼吸ができる昆虫はいない…はず。

以上、生物たちの呼吸事情でした。 どれぐらいご存知だったでしょうか?

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