恒温動物は暑いと小さく、寒いと大きくなる「ベルクマンの規則」

暑い場所の動物と寒い場所の動物を見比べてみると、一定の法則性を見出すことができます。 例えば寒い場所の動物の方が体長が大きかったり、暑い場所の動物の方が耳が大きかったりなどです。

住んでいる場所の気候によって、動物は一定の特徴を持つ傾向にあります。 これを説明した「ベルクマンの規則」と「アレンの法則」を紹介します。

ベルクマンの規則

同種か近縁種の恒温動物は、寒い地域ほど体が大きく、暑い地域ほど体が小さくなる傾向がある。

ドイツの生物学者ベルクマンが提唱した上記の規則を「ベルクマンの規則」と言います。

この話でよく例に挙げられるのがクマです。 主なクマを大きい順に並べ、その生息地を確認してみましょう。

クマ生息地
ホッキョククマ北極
コディアックヒグマアラスカ
ハイイログマ(ヒグマ)北アメリカ
アメリカグマ北アメリカ
メガネグマ南アメリカ
マレーグマ東南アジア

並べてみるとクマ科最大のホッキョクグマは最も寒い北極に、クマ科最小のマレーグマは最も暑い東南アジアに生息しています。 間のクマたちの順番も大よそベルクマンの法則通りになっていますね。 日本国内においても北海道にいるエゾヒグマは本州にいるツキノワグマよりも大きいです。

なぜこのような傾向が見られるのかと言えば、適切な体温を保つためです。 寒い場所に住んでいる動物は体温を逃がさないように体長を大きく(=体積:体表面積比を小さく)、暑い場所に住んでいる動物は放熱しやすいように体長を小さく(=体積:体表面積比を大きく)して、適切な体温を維持しやすい大きさをしている訳です。

また同種の動物においても住んでいる地域の気候で体長が同様に変わる傾向があります。 気候に合った適切な体長は種の繁栄を左右する重要な要素なんですね。

ベルクマンの法則は体温調節と体長の相関関係を表したものであり、他の要因は考慮されておらず全ての動物に適用できるようなものではありません。 あくまで傾向の一つと考えておいてください。

逆ベルクマンの規則

同種か近縁種の変温動物は、寒冷な地域に生息するほど小型になる傾向がある。

ベルクマンの規則に関連して変温動物の気候と体長の関係を表した「逆ベルクマンの規則」なんてのもあります。 変温動物の気候による体長の変化は恒温動物とは逆の相関になるというものですが、これは変温動物は寒冷地での体温維持が難しいのが理由と考えられています。

変温動物は体温が低下すると日光浴をして体温を上げなくてはなりませんが、体が大きいと体温が上昇するまでに時間がかかります。 また寒い場所では活動できる時期や時間も限られているため、十分なエサが確保できません。 以上の事情により変温動物には逆ベルクマンの規則の相関になると考えられています。

アレンの法則

同種か近縁種の恒温動物は、寒冷な地域に生息するほど体表面積を小さくするために突出部分が小さくなる。

気候の変化によって現れる特徴は大きさだけではありません。 アメリカの生物学者アレンが提唱した上記の法則を「アレンの法則」と言います。

突出部分とは「頭」「手」「足」「耳」「尾」などを指し、特に耳と尾にこの傾向が強く見られますね。

アレンの法則で言われている傾向が見られる理由は、ベルクマンの法則と同じで適切な体温を保つためです。 恒温動物は適切な体温を維持できるよう体表面積を変え、ベルクマンの法則ではそれを体長によって、アレンの法則ではそれを突出部分によって調整していることを説明しています。

北極に生息しているホッキョクギツネと砂漠に生息しているフェネックを比べてみましょう。 アレンの法則の言う通り、寒い地域に生息している方が突出部位が小さくなっていますね。

どんな気候の地域に住んでいる動物か、見た目から推測できるものも多いです。 動物園を回る際は、ベルクマンの法則やアレンの法則を考えながら見てみると面白いかもしれません。

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