濃口醤油より淡口醤油の方が塩分が多い
お店で売られている醤油には「濃口(こいくち)」と「淡口(うすくち)」があります。 濃口醤油は色が真っ黒で濃い味がしそうなのに対し、淡口醤油は色が薄く味がまろやかそうです。
しかし実は濃口醤油より淡口醤油の方が塩分が多いです。 見た目に騙されてはいけません。
淡口醤油と濃口醤油の違い
醤油の濃口・淡口の名前の由来は単純に色の濃淡です。 なので二つの違いは「色が濃ければ濃口醤油」「色が薄ければ淡口醤油」という訳です。
「淡口醤油は塩分が控えめ」と言われることがありますが間違いです。 もちろん種類にもよりますが、一般的に淡口醤油の方が塩分濃度は上です。
濃口・淡口の色に差が出るのは製法の違い
濃口・淡口醤油の色が違うのは、製法の違いによるものです。 醤油は発酵・熟成が進むほど色が濃くなって、醤油の持つ風味も豊かになります。
濃口醤油はしっかり発酵・熟成させます。 香り高くうま味が豊富なので、醤油を直接付けるような料理に適しています
淡口醤油は発酵・熟成をやや抑え、仕上げに甘酒や水あめを加えます。 香りが薄くうま味も控えめなので、煮物・汁物・つゆなどに適しています。
たまり醤油と白醤油
醤油は他にも真っ黒な色をした「たまり醤油」や、淡口醤油よりも更に薄い色をした「白醤油」なんてものもあります。
たまり醤油は濃口醤油よりも更に濃い、真っ黒な見た目をしています。 しかし塩分濃度は濃口醤油とほぼ同じで、色から想像するような辛さはありません。
白醤油は淡口醤油を更に薄めた、出汁のような色をしています。 しかし塩分濃度は濃口と淡口の間ぐらいあり、見た目ほど薄味ではありません。
醤油の製法が変われば色も変わり、色の濃淡から味を判断することは出来ない訳です。
関西人は薄味が好き?
「関西人は薄味が好き」と言われています。 よく言われるのがうどんの味で、関東は濃い味付け、関西は薄い味付けがされています。
パッと見た感じでは、関東うどんの汁は濃く、関西うどんの汁は薄い色です。 だから見た目からはそう見えますが、味は必ずしもそうではありません。
関東では濃口醤油を、関西では淡口醤油を使ってうどんのつゆを作っています。 うどんの色はこの醤油の違いに起因するものなので、見た目から味の濃淡は判別できません。
実際のところ、関東の方が濃い味付けをされる傾向はあります。 関西では昆布・カツオ・煮干しの出汁を活かした味付けがされるのに対し、関東では濃厚なカツオ出汁に合わせた味付けがされます。 これがうどんの味に繋がっている訳です。
ただ関西人は「薄味の方がいい」とか言いながら、平気で調味料をドバドバぶっこんでいきます。 関西人が薄味を好むのは「自分でオリジナルの味付けをする前提だから」という側面も多分に含まれているような気がします。
本当の意味で薄味を好むのは、関西人というより京都人なのではないかと思う今日この頃です。