イヌやウシには指紋ならぬ鼻紋がある
人の指の紋様である「指紋」は誰もが違う模様となり、たとえそっくりな双子であっても指紋は別になります。 だから個体識別として使われ、契約書にサインする時は拇印として指をハンコ替わりに押すこともあるぐらいです。
指紋で個体を識別できるのは人やゴリラなどの霊長類だけですが、イヌ・ネコ・ウシは指紋の代わりに鼻のシワで個体識別が可能です。。 指紋ならぬ鼻紋という訳です。
鼻紋とは
イヌ・ネコ・ウシのなどの動物の鼻は、個体ごとに別々のシワ模様を持っています。 これを「鼻紋」といいます。
イヌやネコは多産なため5つ子6つ子も当たり前ですが、それぞれが違う紋様を持っています。 たとえ全く同じ遺伝子を持つクローンであっても、鼻紋はそれぞれ違うそうです。
鼻紋は生涯変わらないので、子どもの頃に取っておけばそれを同一個体である証明として使えます。 個体識別と証明に便利で、日本では主にウシの戸籍として使われています。
鼻紋の活用方法
ペットの個体認証として使われる
日本ではあまり使われていませんが、海外ではペットの鼻紋を管理している団体があります。 鼻紋を登録していれば、照合すればどこの誰が飼っているペットか一目瞭然という訳です。
ペットの認証手段としてメジャーなものに住所付きドッグタグがあります。 しかし首輪を無くす・悪意を持つ者に外されるなど、ドッグタグが無くなると効果が無くなります。
マイクロチップを入れる方法も浸透しつつありますが、こちらもチップが壊れたり誘拐犯に抜かれる危険性もあります。
対して微門認証であれば、鼻に大怪我を負わない限りは認証手段として機能します。 特にペット盗難に対して効果を発揮すると言るでしょう。
もっとも日本には鼻紋管理団体がないので、現状ペットの鼻紋を取ってもあまり意味はありませんが…。
ウシの品質保証として使われる
ウシはその品質を保証するために血統書を作ります。 その血統を証明した個体を識別する方法として鼻紋が取られています。
全国和牛登録協会では、子牛が産まれると牛の鼻鏡にインクを塗って鼻紋を取り、「子牛登記証明書」に登録します。 これには鼻紋に加えて親3代の家系図と、この検査を担当した委員の名前まで書かれています。
霜降り肉の質は血統に左右されると言われており、そのため牛の血統まで重要視されています。 これが和牛ブランドの品質と信頼に繋がっている訳です。