マリンスノーはプランクトンの残骸だった

marinesnow

深海を潜水艦のライトで照らすと、まるで夜空に雪が舞っているかのような光景が見られます。 この光景は海の雪「マリンスノー」と名付けられました。

でも実際の所、マリンスノーってプランクトンの残骸なんですよ。

マリンスノーとは

1950年、北海道大学の中谷宇教授率いる深海研究チームは、相模湾で潜水艇「くろしお号」の試験潜航を行いました。 相模湾は黒潮と深海の栄養で生命が豊富な海で、日本の4割もの魚種がいると言われています。

その海中を探索していた教授は、海中でまるでプランクトンの残骸が雪のように舞っているのを見て「海にも雪がある!」と言いました。 こうして水中のプランクトンは「マリンスノー」と名付けられ、この言葉は世界中に広がったのです。

マリンスノーは深海特有の現象ですが、ダイビングなどで潜る表層でもその欠片ぐらいは見ることができます。 時々降ってくる数cmの白い塊がそれで、手に取ると雪のように溶けますが…実際のところはプランクトンの残骸の塊なのであまりロマンチックなものではありません。

マリンスノーは上から下に降り、残骸同士がくっつきながら少しずつ大きくなっていきます。 上の層では小さかったマリンスノーが下にいくほど残骸同士が固まって少しずつ大きくなり、深海ではまるで雪が降っているかのように見えるようになります。

生命の少ない深海ではマリンスノーは貴重な栄養源です。 表層から届けられたマリンスノーはバクテリアやムシなどによって分解され、海流に乗ってまた表層に送り返されて海を循環しているのです。

マリンスノーはパッと見は雪のように綺麗ですが、その実はあまりロマンティックなものではありません。 しかし海の生命の営みに欠かせない大切な存在なのです。

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