京都で左右が一部逆転している理由

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京都府には右京区と左京区があります。 右(東)にあるが右京区で左(西)にあるのが左京区ではありません。 左にあるのが右京区で右にあるのが左京区なのです。

このように京都では左右が逆転していることがあります。 これは多くの場合「南向きで政務を行う天皇から見ての左右」で表しているのが原因です。

左京区と右京区が左右逆の理由

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左京区と右京区はどちらも京都府の11ある区の1つです。1929年に左京区ができて、1931年に右京区ができました。

その昔、平安京の朱雀大路の西側を「右京」、東側を「左京」と呼んでいました。 当時の範囲とは異なりますが、右京区・左京区はこれに倣って名付けられたものです。

我々の一般的な感覚からすれば、北を上として西は左で東は右です。 右京と左京はこの感覚と逆になっています。

こうなった理由は中国・隋の時代に遡ります。隋の皇帝は南を向いて政務を執り行っていました。 遣隋使で中国文化を学んだ日本もまた隋の皇帝に倣い、天皇は南向きで政務を行うようになりました。

右京と左京は「南向きの天皇から見ての左右」で呼ばれたので、通常の左右の感覚と逆転したという訳ですね。

左近の桜と右近の橘

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紫宸殿の庭に植えられている桜と橘はそれぞれ「左近の桜」「右近の橘」と呼ばれています。 これも紫宸殿に向かって左に右近の橘、右に左近の桜があります。

理屈は右京区・左京区と同じで、天皇が紫宸殿から南向きに見た時にどちら側かで名付けられています。

写真は左近の桜しか見えていませんが、向かって右側で紫宸殿内から見れば左ですね。

五山送り火の左大文字と右大文字

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日本には「お盆」と呼ばれる信仰があります。 8月13日に祖先の霊がこの世に帰ってきて、3日間を我々と共に過ごし、8月16日に帰っていくというものです。 13日には祖先の霊が迷わないよう「迎え火」を焚き、16日には魂を再び送り出すため「送り火」を焚きます。

京都ではお盆の終わる8月16日の夜、送り火として「五山送り火(通称・大文字焼き)」が執り行われます。 京都市内にある五つの山に「大」の文字を象った火を焚き、祖先の霊を送り出すイベントです。

この5つの大文字焼きの中に「左大文字」と「右大文字」と呼ばれるものがあります。 これも東にあるのが左で西にあるのが左…ではありません。これは西にあるのが左大文字で東にあるのが右大文字です。

庶民が京都御所に向かってどちらに見えるかで名前が決まったそうで、素直に左右が一致したんですね。 ああ、ややこしい。

男雛と女雛

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一般的なひな人形は向かって左に男雛、右に女雛を飾ります。 しかし京都は逆で、左が女雛で右が男雛です。

結婚式などもこれに倣います。 通常は新郎が新婦を守るために男の右手を空けるように並びますが、京都は逆です。 どこまで面倒なんだ京都!しかしこれは西洋から入ってきたルールが関係しているのです。

元々日本では右よりも左の方が格上とされていました。 例えば左大臣と右大臣なら左大臣の方が偉いです。

しかし明治になると右を上位とする西洋のルールが入ってきました。 大正天皇が即位する際に西洋の流儀で皇后の右に立ったこともあり、日本は西洋ルールへと傾いてきました。 やがて男は右側、女は左側に立つようになり、お雛様の並びや結婚式などもこれに準じました。

しかし例外的に日本の伝統を守り続けている京都という訳です。 良いのか悪いのかはよく分かりませんが、知らない人は混乱してしまいますね。

そんな訳で、京都では左右が逆転したりしなかったりしてるのです。 京都って難しいですね。

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