甲子園があるのは大阪府ではなく兵庫県
甲子園は高校球児たちの聖地にして阪神タイガースの本拠地です。 球場としてもランドマークとしても高い知名度を誇っています。
そんな甲子園球場ですが、なぜか大阪にあると思っている人が少なくありません。 甲子園があるのは兵庫県西宮市であり、兵庫県の建造物なのです。
なぜ甲子園が大阪だと思われるのか
甲子園があるのは兵庫県西宮市です。 西宮市は大阪と神戸に挟まれている「阪神地区」であり大阪府に近い都市ではありますが、大阪と隣接してすらいません。
それなのに西宮市にある甲子園球場はよく大阪府にあると勘違いされます。 大阪駅からの距離が10km程度なので大抵の兵庫県民より大阪府民の方が近いとかありますが、とにかく地理的には兵庫県にあります。 これはおそらく「阪神タイガースは大阪のチームだからそのホーム甲子園があるのも大阪」という論法によって勘違いしているのではないでしょうか。
阪神タイガースのホーム球場は甲子園であり、甲子園は兵庫県にあるのでタイガースのホームも兵庫県という事になります。 しかし阪神タイガースは兵庫県のチームなのかと言えばまた少し話は変わってきます。 ややこしい話なので、タイガースの歴史と共に見ていきましょう。
阪神タイガースの歴史
時は1934年、読売新聞社が野球のプロ化を目指し「大日本東京野球倶楽部(後の読売ジャイアンツ)」を立ち上げました。 東京市・大阪市・名古屋市の三都市で試合を行う事を目指しており、大阪にある阪神電鉄にも声がかかりました。
翌1935年、阪神電鉄が「大阪タイガース」を設立しました。 タイガースは大阪の企業が作った大阪のチームとして発足したのです。
1940年には戦争の影響でカタカナの使用を自粛することになり「阪神軍」と名乗っていましたが、戦後は元の名前に戻りました。 それからしばらくは大阪タイガースだったのですが、1961年に導入されたフランチャイルズ制度(プロ野球地域保護権)によって名前が変わります。
制度を簡単に説明すると「各球団はホーム球場を定め、公式戦の半数以上をホーム球場でやらなければならない」というものです。 2018年現在であれば同リーグ内の各チームとの試合数は25で、うち13回はホーム、残り12回は他球団の球場で試合をしなければならないことになります。
球団には保護地域として別々の都道府県が割り当てられます。 大阪にはタイガースの他にバッファローズがあるため、タイガースの割り当ては兵庫県の甲子園球場となりました。 その関係でチーム名を「阪神タイガース」と改めることになったのです。
そうしてタイガースは甲子園がホームとなり保護地域は兵庫県になったのですが、そのくせセリーグ運用規定では阪神の主要駅が大阪駅とされていたりガバガバです。 大阪駅から甲子園まで10kmぐらいあるので、大阪駅で降りてしまうと結構な距離を歩かないといけません。
そんな訳でタイガースの本拠地は一応兵庫県になっていますが、実際の所は大阪の血を色濃く引いたチームなのです。 制度上の都合でホームが兵庫県になっているって感じですかね。
まあ阪神地区なんて一応兵庫県ですがほとんど大阪みたいなものですけどね。 特に尼崎なんて市外局番は兵庫の07ではなく大阪の06だったりして、「アマ(尼崎)は大阪」なんて半分冗談半分本気で言われます。
以上タイガースが大阪と兵庫どちらのチームなのかはさておき、甲子園球場があるのは兵庫県という話でした。
甲子園に最も近い高校は?
甲子園は阪神タイガースのホーム球場であると同時に、高校球児たちの聖地でもあります。 そんな甲子園に色々な意味で近い高校を紹介します。
甲子園に最も距離的に近い高校は西宮東高校で甲子園までの距離は1km程度です。 しかし残念ながら甲子園への出場経験はなく、近くて遠い甲子園と評されています。
甲子園兵庫県代表として出場常連である報徳学園は甲子園までの距離が7km程度です。 年末年始には部員全員で学校から甲子園まで走るのが恒例だそうです。
毎年のように甲子園優勝候補に挙がる大阪桐蔭の甲子園までの距離は30kmほどです。 しかし大阪予選は履正社を始めとした強豪渦巻く激戦区で、しかもシード制がないので早々に強豪校同士が潰し合うこともあります。 2015年まではここにPL学園までいたとんでもない魔境です。
距離的に一番遠い高校は分かりませんが、北海道の端の方の高校になりますかね? 北海道の球児たちはまず甲子園の暑さに慣れていないので不利も良い所だと思います。 慣れれば有利なのかはよく分かりませんが。
ちなみに甲子園はレンタル料を払えば中で試合や練習をすることも可能です。 平日半日のレンタル料は40万円ほどなので頑張ればレンタルすることも可能ですが…普通はしないでしょうね。