「大企業」と「大手企業」は、似ているけど意味は全然違う

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ボーナスの季節になると、日本では大手企業の平均ボーナス支給額が報道されたりします。 聞くとかなりの額を貰っているようで2018年の冬平均は95万円とのことでした。とても景気が良いようですね。

しかし実際の所、報道で言われる「大手企業」に務めている人はほとんどいません。 報道されるほどのボーナスを貰える人はほんの一握りの存在なのです。

中小企業/大企業とは

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まずは一般的な企業分類である、中小企業と大企業の違いについてお話します。

中小企業とは

日本の中小企業基本法の第二条において、以下の企業が中小企業と定義されています。

業種中小企業の資本金 or 従業員数
卸売業1億円以下100人以下
サービス業5000万円以下100人以下
小売業5000万円以下50人以下
上記以外3億円以下300人以下

関連して零細企業という言葉がありますが明確な定義はなく、小規模な中小企業のことを指します。 資本金1円で社員1人の企業も分類上は中小企業となります。

大企業とは

大企業は中小企業の定義に当てはまらない企業=中小企業よりも資本金と従業員数の両方が多い企業を指します。 具体的には下表のとおりです。

業種大企業の資本金 and 従業員数
卸売業1億円超100人超
サービス業5000万円超100人超
小売業5000万円超50人超
上記以外3億円超300人超

中小企業と大企業

中小企業と大企業を分けるのは資本金と従業員数です。

それでは大企業が日本にどれぐらい存在しているかご存知でしょうか? 100社?200社?いいえ全然違います。

日本の大企業は1万社以上

統計局の「平成26年経済センサス-基礎調査」によると日本の大企業数は約1万1千社です。 100社ぐらいなら聞いたことはあるでしょうが、1000社知っている人は中々いないと思います。 でも1000社知っていたとしても大企業の1割にも届きません。

つまり大企業の殆どが見たことも聞いたこともない会社で占められています。 更に中小企業の数は約381万社ともうとんでもない数です。

日本のビジネスマンの3人に1人は大企業勤め

中小企業の方が沢山ありますが、大企業の方が従業員は多いです。 総従業員数比でみると、大企業1:中小企業2.3ぐらいの比率になっています。 日本のビジネスマンの3人に1人は大企業勤めという訳ですね。

「大企業に勤めている」と聞くと凄い事のように思いますが、実は大企業はそこかしこに転がっています。 ただあまり有名ではない・待遇の良くない大企業では大企業勤めだとは言いにくい空気があり、誰もが知っているレベルの有名企業の人ぐらいしか公言しません。

また大企業の定義をよく知らないで超有名企業のみが大企業であるぐらいの認識の人もいますね。 「君の会社、大企業だよ」と言われて初めて気付く人を見ます。

大企業の中にはそんじょそこらの中小企業と大して変わらないものも沢山あります。 中小企業と比べて売上や給料が良くなる傾向はありますが、全部が全部という訳ではありません。 逆に中小企業にも素晴らしい会社は沢山ありますしね。

実際に凄いのは「大手企業」です。

大手企業とは

大手企業という言葉を聞いたことはないでしょうか? 大企業とよく似た言葉なので同じ意味だと勘違いしている人も見受けられますが、これらは全く別の言葉です。

大手企業とは簡単に言えば「各業種のシェア上位を争う凄い企業」の事を指します。 厳密な定義はなく結構曖昧ですが、普通に暮らしている中で耳にする機会のある有名企業が多いです。

定義が曖昧なので具体的に何社とは出せませんが、日本標準産業分類の中分類:約100業種を基準に考えると大よそ数百社といったところでしょうか。 そのほとんどが誰もが聞いたことがあるような超有名企業です。

大企業が1万1千社あるのに対しての数百社なので、大手企業は大企業の上位数%ほどしかない限られた存在と言えます。 そりゃあボーナス一杯貰えますよね…

東証一部上場企業とは

凄い会社を表す言葉に「東証一部上場企業」があるのでついでに説明しておきます。

会社が上場すると株式を市場で自由に売買できるようになります。 会社が上場する主な理由は株式を売却しての資金調達です。

しかしどんな会社でも上場できる訳ではありません。 ダメな会社が上場すれば株を買った人は損することになり、そんな会社ばかりでは市場の信用問題になります。 だから上場に際して会社の審査が行われます。

日本には東証一部、東証二部、ジャスダック、マザーズの四市場があります。 この中で最も厳しい審査をされるのが東証一部で、つまり東証一部上場企業は厳しい審査をクリアした凄い企業である証左なのです。

ちなみに東証一部上場企業は2017年時点で約2000社で、大手企業はこの更に上の存在です。 だから「俺の会社は東証一部なのに報道よりボーナスが低いぞ!」って人も一杯いると思いますが諦めましょう。

なぜ大手企業のボーナスを報道している?

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日本においては夏冬に大手企業やボーナス支給額が多い企業を抽出した平均ボーナス支給額が報道されています。 しかしこれは企業平均どころか大企業平均と比べても乖離した数字です。

要は「日本のボーナスが多い企業では平均でこれぐらい貰ってる」というニュースなので、全体平均とはほとんど関係ないのです。 全く指標にならないとまでは言いませんが、それなら日本企業平均、大企業平均、中小企業平均の方が指標としてよほど参考になります。

なぜ大手企業平均だけを報道をするかは謎で、公式の説明は見た事がありません。 単に視聴率が取れるからなのか、好景気を演出するためなのか。公務員給料を上げるために報道してるなんて話もよく聞きますね。

多額のボーナスはうらやましい話ではありますが、この報道が何の役に立っているのかは謎なのです。 それにしてもうらやましい…

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