気候の違いから見る握手とお辞儀の差
世界的には挨拶や親愛の証として握手が一般的です。 日本も大分グローバル化が進みましたが、しかし未だにお辞儀が一般的な挨拶です。
別に世界式に合わせろと言う訳ではないのですが、握手が根付かない理由に面白い説があります。 「汗ばんだ手を握りたくない説」です。
握手とお辞儀は気候の差?
日本のお辞儀は日本人真似の鉄板ネタになっています。 日本人の真似を外国人にねだると「ドーモ。」とする人が多いです。 お辞儀は日本に限った作法ではありませんが、世界的に見ると珍しいのです。
グローバル化が求められる時代、日本の礼儀作法も作り直す時が来た? スキンシップが足りない現代、欧米に倣ってキス・ハグ・握手を挨拶に取り入れるべき? しかし日本で欧米式の礼儀作法が浸透した時のことを考えてみてください。
日本は亜熱帯~熱帯で気温も湿度も高く、特に初夏~初秋は最悪です。 北海道でもなければ体中汗ばんだり、手も汗でぐしょぐしょだったりするでしょう。
そんな状態で相手に触りたいですか? 相手が美男・美女なら触りたいかもしれませんが、そんなのばかりではありません。 女の子が父親という名の汗だくのおっさんにハグやキスで親愛を見せるのは、ちょっとハードルが高いでしょう。 同じ洗濯機で衣服を一緒に洗うことすら嫌がられているお父さんが一杯いるのですから。
これがビジネスシーンなら握手になります。 ハグやキスよりは握手の方がやりやすいですね。 しかし真夏に来た営業が汗ばんだ手で握手を求めてくるのは率直にいって嫌です。 これが脂ぎったおっさんと女性社員だった場合、男の私から見ても難易度が高い感じがします。
対して欧米や西欧は日本よりも寒冷・乾燥な地域が多いです。 日本のように汗だくにならないからこそ、握手やハグが根付いたと言えるのかもしれません。
握手とお辞儀の由来
お辞儀は日本独自の文化という訳ではなく、アジア諸国では一般的な礼儀作法です。 国によっては目を合わせてお辞儀するなど、多少作法は違いますけどね。
お辞儀は中国から伝来した文化で、自分の首を相手に差し出して敵意がないことを示したのが由来と言われています。 それが日本式に整理され、長い時代の中で変遷したものが現在のお辞儀です。
ただし握手のような風習も古くから中国に存在していました。 その頃は礼儀作法というよりも男女の親愛を示す行為だったようです。 お辞儀が広まった一方で握手が広まらなかったのは、やはり汗ばんだ手がネックだったのでしょうか。(憶測)
握手の由来は手に武器を持っていないことを証明するためと言われています。 だから利き手の右手で行う訳ですね。
お辞儀と握手、どちらも礼儀作法や親愛の証です。 しかし多くの地域では握手が一般的であり、グローバル化が求められる昨今は日本にも握手文化が必要なことは分かります。 でもアジアに握手が広まらなかった理由かもしれない「汗ばんだ手を握りたくない説」を聞くと、なんだかお辞儀のままの方が良い気がしますよね。