清水の舞台から飛び降りた人は割と沢山いる

清水寺

京都の清水寺の舞台は高い崖に面していて、上から見下ろすと思わず膝が笑ってしまうほど怖いです。 地面までの高さは12mなので、四階建ての建物ぐらいの高さでしょうか。

思い切って物事を行うことをことわざで「清水の舞台から飛び降りる」と言いますが、こんな所から飛び降りるには余程の覚悟がないと無理ですよね。 しかし実はこの清水の舞台、本当に飛び降りた人が割と沢山いたのです。

本当にあった、清水の舞台から飛び降り

清水の舞台

清水寺と、清水の舞台

清水寺は京都府京都市東山区にある、京都のお寺の中でも指折りの歴史を持つお寺です。 清水寺は778年に修行僧・延鎮が開山し、780年に坂上田村麻呂が邸宅を寄進、798年に二人が協力して仏殿を建立しました。 距離は京都駅から3.5kmぐらいで、比較的市街地から近い位置にあります。

そんな清水寺の本堂には「清水の舞台」という、せり出すように作られた高さ12mの舞台があります。 舞台が出来た時期は定かではありませんが、平安時代後期に作られたのではないかと言われています。

清水の舞台と言えばことわざが有名で、思い切って大きな決断をすることを「清水の舞台から飛び降りる」と言います。 なぜこんなことわざが成立したのかと言えば、実際に清水寺から飛び降りる人が沢山いたからです。

清水の舞台から飛び降りた理由

清水の舞台は「飛び降りて生存していたら大願成就する」とか「飛び降りて死んだら成仏できる」とか言われていました。

そんな噂のせいなのか清水の舞台から飛び降りる人は後を絶たず、1694~1864年の150年の間に234件の飛び降りがあった記録が残っています。 記録されていない人も沢山飛んでいることでしょう。

12mの高さから飛び降りるとなると生存は絶望的のように思えます。 しかし記録にあった飛び降り234人のうち、少なくとも200人は飛び降りた時点では生存していたようです。 約8割5分ですね。

ただ当時の医療水準を考えると、死にはしなくても後の生活に大きな悪影響があったと考えられます。 中には恋愛成就のために飛んだ人もいたようですが、それで身を投げるのは逆効果になる気もしますね。

清水の舞台から飛び降りる人はいつまで経っても後を絶たず、ついには明治政府が飛び降り禁止令を発布します。 更に簡単に飛び降りれないよう舞台に柵を張りました。

それでようやく清水の舞台から飛び降りる人は「ほぼ」いなくなりました。 ほぼと言うのは21世紀年代になっても清水の舞台から身を投げた人がいるからで、この流れはまだ絶えていないのかもしれません。

清水寺が人々の信仰を集めるようになった経緯

清水寺

清水寺は京都で最も有名なお寺の一つであり、京都観光の定番コースになっています。 修学旅行で行ったなんて方も多いんじゃないでしょうか。

京都には1600余のお寺があり、その中でも清水寺はトップクラスの知名度を持っています。 それ故に清水寺に行ったことがある人は多いですが、なぜ皆こぞって清水寺へ行くのかと言われると少し考えてしまいますよね。

そこで清水寺が参拝される理由について少しお話しします。

平安京からのアクセスが良かった

京都はかつての日本の首都だったというイメージが強いです。 古い首都は他にいくつもあるのに京都にだけそんなイメージがあるのは「平安京」の存在が大きいです。

平安京は794年に遷都されてから明治が始まるまでのおよそ1000年もの間、日本の首都であり続けました。 武家中心の世の中になっても、京都は朝廷のお膝元として重要視されて栄え続けました。

京の都には人が多く集まり、そこからほど近い場所にある清水寺にも多くの参拝客が訪れました。 都心近くにある霊験あらたかな場所として人気になった訳ですね。

ちなみに清水の舞台が作られたのも、参拝客が増えすぎて本堂に入りきらなったのが理由です。 崖の上にある清水寺の敷地を広げるために舞台が必要になったのです。

清水寺の参拝が文化行事のようになっていた

京都のお寺の多くは平安京以降に作られたものですが、清水寺は数少ない平安京以前からあったお寺のひとつです。 京都最古の寺は広隆寺ですが、清水寺も指折りの歴史の深さを持っています。

そんな清水寺は観音様が住まうという伝説の山「補陀落」に倣って作られました。 また京都から清水寺へと行く途中に渡る鴨川は、三途の川に例えられていたと言われています。

清水寺がある地形は、仏教観による「あの世」とよくリンクしていました。 そのため清水寺は現世とあの世の境界があやふやな場所と考えられ、人々の信仰を集めることになったのです。

そうして「都心から近い」「信仰の場」として、清水寺には多くの人々が集まり、やがて参拝が文化行事のようになりました。 その流れが現代においても続いているのです。

このように多くの人々の信仰の対象となったからこそ「清水の舞台から飛び降りれば補陀落へ行ける」なんて考えられるようになったのかもしれませんね。

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