オリンピックの金メダルは銀メダルを金メッキしたもの
オリンピックで優勝したものにのみ贈られる、最高の栄誉である金メダル。 その黄金色の輝きはまさに優勝者にふさわしいものでしょう。
でもその金メダル、実は金メッキなんですよ。 なぜ純金じゃないのかと言えば、純金メダルだと費用がシャレにならないからです。
金メダルの基準
オリンピックの金メダルは開催国が用意することになっています。 そして金メダルは五輪憲章で以下の要件を満たさなければならないと定められています。
- メダルは、少なくとも直径60mm、厚さ3mm以上でなければならない。
- 1位及び2位のメダルは銀製で、少なくとも純度1000分の925以上でなければならない。
- 1位のメダルは少なくとも6グラムの純金で金張り(又はメッキ)が施されていなければならない
つまり金メダルは銀メダルに6gほど金メッキしたものってことなんです。
しかし金メダルの中身は銀メダルでなければいけませんが、金メッキは6g以上なら認めれれています。 開催国が太っ腹だと、規定より多めに金を使ってくれたりするみたいですね。
金メダルの金属のお値段は?
さてメダルは開催国が用意すると前述しましたが、一体いくつ用意しなければならないでしょう? 大会ごとに種目数が微妙に変わるので多少上下しますが、金・銀・銅の各メダルがおよそ1000個ずつ必要です。
仮に全ての金メダルを純金で用意するといくらかかるか計算してみましょう。 銀メダルが500gちょっとだから、比重が約二倍の金で同じ大きさのメダルを作るのに1kgの金が必要になるとしてます。
金の小売価格は2018年09月18日現在4700円/gとなっていますので、4700 * 1000 = 1個470万円かかる計算になりますかね。 それを1000個用意するには50億円近くの費用がかかります。
こりゃ金メダルを純金で用意するのは無茶ですね。 それにオリンピックの度に金の価格が高騰し続けてヤバいことになりそうです。
続いて金メッキメダルに必要な価格も出してみます。 銀の小売価格は2018年09月18日現在58円/gとなっていますので、58 * 500 + 4700 * 6 = 1個57,200円かかる計算ですね。 それを1000個用意するには5000万円ぐらいで済みます。
純金メダルと金メッキメダルでは必要になるお金も全然違うことが分かりましたね。 そんな事情からか純金ではなく、銀メダルに金メッキしたものを金メダルとしているんですね。
金メダルの価値は?
金メダルをオークションに出す人もちらほらいるようでオークションサイトなどで価格を確認できます。 どんな競技のどの選手のものかで価値は全然違うようですので、参考までにいくつか挙げておきます。
女子自転車・エリカ・サルミャーエ選手の金メダルは2個で5万ポンド(約800万円)で売れています。 金属としての価値よりは大分高い価格ですが、メダリストとしてはどう思ったでしょうね。 ちなみに売った理由は腰の手術の費用捻出のためだそうです。
女子競泳・オティリア・イェジェイチャク選手の金メダルは1個で80,000ドル(約800万円)で売れています。 エリカ選手のものの倍ぐらいの価格で売れていますね。このお金は白血病の子どもたちのために全額寄付されだそうです。すごい…
ボクシング男子スーパーヘビー級・ウラジミール・クリチコ選手の金メダルは100万ドル(約1億円)で売れています。 このお金は子ども教育基金に全額寄付され、未来の子どもたちの費用となりました。1憶ポンと寄付できるのがすごい…
金メダルの史上最高価格は男子陸上・ジェシー・オーエンスの金メダルで、なんと146万6574ドル(約1億5000万円)で売れています。 こちらはチャリティーオークションなのでご祝儀的な意味もあるでしょうが、それにしても凄い価格ですね。
そんな訳で「金メダルの価値は決して素材の値段で決まるんじゃないんだよ」と適当に綺麗な言葉でまとめたいと思います。 皆さんは自分が金メダルを取ったとしたら、いくらで売っても良いと思うでしょうか?