イチョウの実・ギンナンは足の裏と同じ臭い
イチョウと言えばギンナンの実です。 ギンナンはとても臭く、実が落ちる時期になるとイチョウ並木がとても臭くなります。 子供の頃は「そこら中に犬のう〇ちでも落ちてるのか」と思っていました。
一体なぜこんな臭いを出しているのかと言えば、ギンナンが動物に食べられないようにするためです。 腐敗物のような臭いを出して「俺は腐ってるから食べられないぜ」とアピールしているのですね。
ギンナンが臭いのは動物避けのため
ギンナンの臭いの原因はヘプタン酸で、これは腐敗物や人間の足の裏の臭いを作っている物質と同じです。 つまりギンナン並木は蒸れた足の裏の香りがしている訳です。
この臭いは動物に実を食べられないように出している説が有力です。 ギンナンを食べる動物はそれほど多くなく、特にサルはこの臭いを嫌います。
またギンナンにはアレルギー物質が含まれており、大量に摂取すると中毒症状が出て最悪死に至ります。 大人でも1日5粒程度が適量とされているので、子供に大量に食べさせるのはお勧めしません。
ただギンナンは日本の秋を彩る食材でもあります。 茶碗蒸しの中からギンナンが出てくると「秋だなあ」なんて気がしますよね。 全く食べないのも勿体ない話なので、料理のアクセントに少し使うぐらいがいいんじゃないでしょうか。
ちなみに住宅街などのイチョウ並木は臭いがしない場合がありますが、これはオスの木だけを植えて実が成らないようにしているからです。 本当のイチョウ並木なんて臭くて仕方ないですからね。
実はイチョウは生きた化石
「最古の木」と言われて何を想像しますか? 屋久島の樹齢3000年の木?ストックホルムの樹齢1万年の木?
まあ長生きな木はそちらかもしれませんが、種として見た場合は最も息の長い植物はイチョウです。 なんと2億年前から変わらぬ姿の生きた化石なのです。
元々は恐竜がいた時代にも生えていた植物なのですが、氷河期の頃にそのほとんどが絶滅してしまいます。 しかし現存しているイチョウが中国で生き残り、そこから世界中に広がって今に至ります。
しかしこのイチョウ、実は絶滅の危機に瀕しています。 そこかしこに見られるイチョウが絶滅なんてと思うでしょうが、この辺は絶滅の定義に依る所が大きいです。 順に説明しましょう。
絶滅には大きく分けて2つあり、種が全滅した「絶滅」と、野生下では絶滅したけど飼育下には存在する「野生絶滅」があります。 イチョウの「絶滅」が危惧されているのは後者の「野生絶滅」です。
イチョウは日本以外でもユーラシア、ヨーロッパ、アメリカなど世界中に生えている割とポピュラーな植物です。 しかしこれらは全て元を正せば中国から伝来したものです。つまりは世界中のイチョウのほとんどが人の手で植えた「植栽」であり野生ではありません。
野生のイチョウは中国の一部にのみ存在しており、大変貴重なものとなっています。 そして野生状態のイチョウがほとんどないため、絶滅危惧種となっている訳です。
日常生活の中で意識しなくても目に入るイチョウが絶滅危惧種なんて、何だか騙されているような気すらしますね。 しかし保護すべきなんだかどうなんだか…