竹の花が咲くと竹林が枯れ落ち不吉!でもそれが竹の生態

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竹の花を見たことはありますか? 多分ないでしょう。そもそも竹に花が咲くこと自体を知らない人がほとんどだと思います。 私も映像でしか見たことがありません。

竹が花を咲かせると竹林ごと枯れ落ちてしまうため不吉の象徴とも言われています。 でもそれが竹の生態なのです。

竹が花を咲かせると竹林が消滅する理由

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竹は「地下茎」と言って茎が地下に埋もれています。 その1本の茎から沢山の竹がニョキニョキと生えてくるのです。

よく勘違いされていますが、地上に見えている竹1本が植物として独立している訳ではありません。 あの地上に見えているのは例えるなら枝の一本で、それらは地下で繋がっていて一つの株から何本もの竹が生えています。

竹は花を咲かせる周期がとても長いです。 種類によって周期が違いますが、モウソウチクが花を咲かせるのは67年に1度、マダケが花を咲かせるのは120年に1度と考えられています。 そして花は種となり周囲に散って、子孫を残した後に枯れ落ちて竹の一生が終わるのです。

植物が花を咲かせて種を作って枯れるのは普通のことですよね。 竹はまるで木のように生えたり、一年中元気だったり、花が咲く周期がやたら長かったりなので特殊なことのように思えるだけです。 (竹が草なのか木なのかは意見が分かれるところですがイネの仲間です)

1つの株が枯れてしまうと、そこから生えている全ての竹が一斉に枯れます。 さらに竹林は同じ周期の竹であることが多いので、その場合は更に広範囲、場合によっては竹林ごと枯れてしまいます。 これが竹が花を咲かせると竹林が消滅する仕組みです。

その枯れ落ちる様は病的で、珍しいこともあって病気と勘違いされて病名が付けられるほどでした。 しかしこれが竹の生態なんですね。

竹の花は不吉の象徴?

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あなたの近所に竹林があって、それが一斉に枯れたら度肝を抜かしますよね。 こんなことは初めてだ、何か良くないことが起きるんじゃないかと嫌でも考えてしまいます。

そして竹林が枯れる前に竹が花を咲かせていたことを思い出すでしょう。 「竹が花を咲かせていたが、あれが前触れだったのか…」と語り継がれ、そのうちに「竹の花は不吉」とされたのではないでしょうか。

この言い伝えがいつからあるのかは分かりませんが、仮に江戸時代だったとしましょう。 江戸時代以前の人間の寿命がせいぜい30~40年だった頃の事を考えると、マダケが花を咲かせるのは人の4~6世代に1度です。 「こんなことは初めてだ、見たことも聞いたこともない」となるでしょう。

今では竹が周期的に花を咲かせる植物であることが分かっているため「そんな時期なのか」とか「竹の花が見られるなんてラッキー」とか思う程度ですけどね。 ただ竹関連の産業に従事している人やタケノコ農家にとっては切実な問題かもしれません。

しかし少なくとも竹の花が咲いたら天変地異が起きるとかそんな話ではないので安心して見てください。 見てみたい方は日本全国の竹の花開花情報にアンテナを張っておくといいかもしれません。

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