野生動物は基本的に虫歯にならない
人間はよく虫歯になって歯医者さんのお世話になります。 しかし歯医者さんにかかれない野生動物は一体どうするのでしょうか?
実は動物は人間より遥かに虫歯になりにくいのです。 といっても、絶対にならないって訳でもないんですけどね。
人が虫歯になる仕組み
虫歯は虫歯菌の繁殖が原因です。 虫歯菌は酸性の環境を好み、また炭水化物や糖などの食べカスを食べて分解して酸を生成します。 その酸が歯を侵食し虫歯となるのです。
人間の口内は普段は弱アルカリ性~中性でph6.5~7.0程度です。 この状態で口内に食べかすもなければ、虫歯菌は碌に繁殖できずきれいな歯を保てます。
phとは
phとは水溶液が酸性かアルカリ性を表す単位です。
数値は0~16まであり、ph7が中性、phが低いほど強い酸性、phが高いほど強いアルカリ性であることを示しています。
しかし虫歯にならない口内環境を保つのは割と困難です。 まずレモンやお酒など酸性の食品を食べると、口内が大きく酸性に傾き虫歯菌が住みやすい環境になります。 レモンは分かりやすく酸性食品ですが、他にも肉・魚・卵など普段の食事に欠かせないものや、調味料などにも酸性のものが多いです。 更に歯の間に食べかすが残ったりすると、それをエサに虫歯菌が繁殖します。
また酸自体が歯にとってよくありません。 いくら固くて丈夫な歯でも、日常的に酸に晒されると溶けてしまいます。
食事後しばらくすると唾液の働きにより口内は元のphに戻ります。 しかし歯に挟まったカスなどは中々取れないため、虫歯菌が食べかすを分解して酸を生成し、じわじわと浸食されて虫歯になるのです。
以上がおよそ人が虫歯になる仕組みです。 それでは虫歯にならない野生動物は何が違うのか考えてみましょう。
野生動物が虫歯にならないのはなぜ?
犬や猫などは口内のphが8.0~9.0と人間よりも強いアルカリ性です。 その分虫歯菌は繁殖しにくく、また酸が生成されても中和されてしまいます。
さらに肉食獣は歯が全て犬歯で間隔が広く、間に食べカスが挟まりにくいのもポイントです。 歯の間は虫歯になりやすいと言いますが、肉食獣には関係ないのです。
動物によりますが、虫歯にならない仕組みを持っていたり、虫歯になりにくい生活を送っているために虫歯がないのです。 また寿命も人と比べると短いので、歯が本格的に弱くなる前に死んでしまいます。
しかし歯を折って破損個所に虫歯菌が繁殖するなど、絶対に虫歯にならないという訳ではありません。 ただ野生においての虫歯はそのまま死に直結するため、虫歯になると長く生きられないのも野生動物に虫歯が見つからない一因でしょうか。
猫は虫歯になりにくい
猫は野生はもちろん、飼い猫もほとんど虫歯になりません。 猫の口内はアルカリ性が強く歯の間隔も広いため、虫歯菌が中々繁殖できない環境なのが要因です。
また猫は肉食であるため、炭水化物や糖などの虫歯の原因になりやすい食べ物をあまり食べないのも大きいですね。
犬は虫歯になりやすい
犬は人間に比べるとマシですが虫歯になります。 犬は前歯こそ犬歯ですが奥の歯は平べったいため歯間が狭く、そこに食べカスが挟まって虫歯になりやすいです。
また炭水化物や糖分を多く含むものを好むのも問題ですね。 特に人間に飼われている犬は人間の食べ物やお菓子を与えられることがありますが、当然ながら犬の歯によくありません。
ペットコーナーでは猫の虫歯対策商品はほとんど売られていないのに、犬の虫歯対策商品は沢山売られているのはこんな事情だからです。