アンデスメロンはアンデス地方のメロン…ではなく「安心ですメロン」の略

カットされたメロン

アンデスメロンはスーパーで売られているメロンの代表格で、比較的安価なため庶民にも広く親しまれています。 そんなアンデスメロンを一口食べると、アンデスの荒涼とした自然が思い浮かぶ気がします。

しかしアンデスメロンはアンデスから輸入している訳でもアンデス産の品種な訳でもありません。 「安心です」を略してアンデスと名付けられただけなのです。

アンデスメロンはアンデス地方のメロン…ではない

アンデスの大地

1977年、サカタのタネ社が新種のメロンを開発しました。 その品種は病気にかかりにくい上に栽培もしやすいという、農家の方が安心して育てられるものでした。

そこで作って安心、売って安心、買って安心と三方良しなメロン、「安心ですメロン」として売りだそうしました。 「安心ですメロン」新発売!…とそのままの名前で発売されることはありませんでした。

これは「安心ですメロン」では名前があまりに安直すぎるのが理由に思えます。 逆に胡散臭く思えたり、何だかマヌケな響きに聞こえますからね。実際どう考えたのかは分かりませんが。

そこで「あんしんです」を「アンデス」と略して「アンデスメロン」と名付けて売り出すことになったのです。 アンデスメロンは日本中で広く生産されており、今日も安心なメロンが日本中の食卓に届けられています。

プリンスメロンはメロンの王子様…ではない

王子様とお姫様

名前からして高級感ただようプリンスメロン、一口食べるとまるで王族になったような至福の時を過ごせるような気がしなくもありません。 しかし王子様という名前の割にはずいぶんお安く買えてしまいますね。

実はこのプリンスメロン、メロンの王子様という訳でも、王族に関係している訳でもありません。 横浜の青果商グループ「プリンス会」が試食した事からそう名づけられているだけなのです。

このメロンを開発したのはアンデスメロンと同じくサカタのタネ社です。 実はアンデスメロンよりも早い1962年に発売されており、安価なメロンの代名詞とも言える存在だったのです。 庶民でも買えるプリンスメロンという矛盾…

現在プリンスメロンは改良種であるプリンスPFが開発され、今日も全国の食卓に届けられています。

マスクメロンはメロンの網目模様がまるでマスクのようだから…ではない

舞踏会のマスクを付けた婦人

こちらも庶民に広く親しまれているマスクメロン、表面の網目模様がとても美しいです。 まるで舞踏会のマスクのようなメロン…という訳ではやっぱりありません。

マスクメロンはもともとムスク(じゃこう)のような良い香りがするからムスクメロンと呼ばれていました。 それが日本に入って来た際に訛ってマスクメロンとなったのです。

まとめ

POINT

  • アンデスメロンは「安心ですメロン」を略しただけ
  • プリンスメロンは青果商グループ「プリンス会」が試食した事に由来
  • マスクメロンはムスクようなの香りがすることに由来

メロンの名前はどれもこれも人々に名前の由来を勘違いされているものばかりですね。 その責任の一端はサカタのタネ社にあるような気がする今日この頃です。

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