カメやワニは卵のある環境の温度で性別が決まる
ワニやカメは卵を産卵した時点では性別が決まっていません。 卵のうちに過ごしている場所の温度で性別が決まります。
だから卵があれば人の手で性別を決めることができるんです。面白い習性ですね。
カメやワニは卵の周りの気温で性別が決まる
卵生の動物は大抵が卵として出てきた段階で性別が決まっています。 しかしカメやワニの多くや一部のトカゲは例外で、卵として過ごした間の周囲の温度で性別が決まります。 この習性を「温度依存性決定(TSD:Temperature-dependent sex determination)」と言います。
この習性を持っている理由は詳しくは分かっていませんが、長い世代で考えて生存競争に有利な形式になっているのではないかと考えられています。
カメの性別の決まり方
種類によって性別を決定する温度にバラつきがありますが、カメにとって適温だと半々で生まれます。 適温より低いとオス、高いとメスが産まれます。
- 適温以下:オス
- 適温:オス・メス両方
- 適温以上:メス
ワニの性別の決まり方
ワニも種類によって性別を決定する温度にバラつきがあります。 適温ではオス、適温以外ではメスが産まれます。
- 適温以下:メス
- 適温:オス
- 適温以上:メス
温度依存性決定動物は地球温暖化により危機的な状況に陥っている
近年、地球温暖化によって地球の平均気温が上がり、これがワニやカメに深刻な影響を与えています。 気温の変化によって性別が変わるため、オスとメスの割合に異常な偏りが出ているのです。
例えば大西洋のカーボベルデ共和国のウミガメを調査したら9割以上がメスだった、ワニ科動物全般の生息数が減少しているなど、種の存続が危ぶまれるような報告が続々上がっています。
今後も気温が上がり続ければ加速度的に絶滅へ向かってしまう危険もあります。 地球温暖化は解決が難しい問題ではありますが、人の発展が生態系を犠牲にしたものでないようにありたいですね。