相手に気持ち良く会話してもらうための会話テクニック

会話は複数人でのやり取りであり、その様は「キャッチボール」のようと評されます。 しかし中には暴投ばかりの人もおり、当人は普通に会話しているつもりでも相手に大変な苦労をかけるていることもあります。

会話で不快な思いをさせていては「この人とは話したくない」なんて思われてしまうかもしれません。 そうならないように会話の基本を抑え、相手に気持ちよく会話して貰えるよう心がけましょう。

相手に合わせた会話を心がけよう

まずは最低限これが出来ていないとマズイのは「相手をよく見て会話する」ことで、この視点が抜け落ちていると話になりません。 「俺は俺の思ったように話す」なんてのは立場が上だから許容されているだけで、会話相手に不快な思いをさせています。

キャッチボールで相手のいる場所を見ないで自分の思った方向にボールを投げる人を考えてみてください。 付き合わされる方はたまったものではありませんし、それなら壁に向かって投げてくれと言いたくなりますよね。 自分の思うがままの会話はただの甘えなので、まずその甘えを捨ててください。

これはほとんど常識のようなものですが、しかしやっているつもりでも案外できていないこともあります。 相手の心の内が見えない以上はどうしようもない部分はありますが、せめて相手を尊重して相手に合わせる心構えを持ちましょう。

人は自分と共通点の多い人や、自分のことを尊重してくれる人に心を開くと言われています。 まずは相手を意識する第一歩として、以下の会話テクニックから始めてみましょう。

テクニック以前の会話テクニック

最低限これぐらいは抑えておきましょう。 相手を尊重する気持ちがあればできるはずです。

ペーシング

ペーシングは声の大きさや話すペースを相手に合わせるテクニックです。 相手に「自分を理解してくれている」と感じさせる効果があり、大抵の人は無意識的にやっていることです。

ペーシングが出来ていないと会話は成立しても互いの意識は離れていくばかりとなります。 まずはここから相手に合わせていきましょう。

バックトラッキング(オウム返し)

バックトラッキングは相手が言った言葉をそのまま、あるいは同じ意味の別の言葉や文章に言い換えて繰り返すテクニックです。 相手に「自分と同じ考えをしている、自分を分かって貰えている」と思わせて安心感や親近感を与える効果があります。

ただしやり過ぎるとうざったいので特に重要な部分でだけ使うことを意識し、あまり重要でない箇所では「相槌」や「同意」などを使うと良いでしょう。

リーディング(誘導)

リーディングは会話の中で徐々に主導権を取り、自分のペースに誘導していくテクニックです。

自分の話したいことを一方的に話すだけでは相手は疲れるし聞いていて面白くありません。 相手に「会話したい」と思ってもらえるような会話をする必要があり、そのために会話の主導権を徐々に握ることを心がけましょう。

例えば新しく出来た本格インドカレー屋に相手を誘いたい場合、いきなり「カレー屋に行こう」と言うのはダメです。 このような決断を迫られる質問は断りにくく大きな心理的負担を与え、拒否すると互いに悪印象を残す結果になりかねません。

こんな時にはまず本格インドカレーに興味があるか探ってみたり、新しくインドカレー屋が出来たことを知らせて相手の反応を見ましょう。 相手のの反応が良ければ脈がありそうなので誘ってみるのも良いですし、逆に興味がなさそうならばそこで話題を終わらせてしまいましょう。

会話は繊細な綱引きであり、綱を強引に引くのはスマートではないと心得ておきましょう。

クロージング

クロージングとは会話の締めくくりのことです。 会話の最後に受ける印象はとりわけ強く記憶に残るため、クロージングはそれだけ重要です。

基本的な会話は「ありがとう」「よろしく」「またね」等をポジティブに伝える、依頼は最後に依頼の復唱と「お願いします」を丁寧に伝える、謝罪は最後に改めて「申し訳ありませんでした」と謝意を示すなどでしょうか。

何をどう伝えるかは会話と相手次第ですが、何にしても丁寧なクロージングを心がけましょう。

発生テクニック

アクセントを意識する

アクセントとは単語を発声する時の高低や強弱のことです。

単語には似たような読み方の物が多くあり、中には同じ読み方のものもあります。 そういった単語は前後の会話の流れから判断する他、アクセントの付け方で聞き分けます。

一本調子では会話の理解が難しく、理解できたとしても疲れやすくなります。 しっかりアクセントを意識して相手を煩わせることのないようにしましょう。

イントネーションや強調など会話に抑揚を付ける

イントネーションとは文章を発声する時の高低や強弱のことです。 イントネーションには疑問・断言を論理的に表現するものと、発言者の感情の起伏を表すものがあります。

論理的イントネーションは文章の意図を文末のイントネーションによって示すことを良います。 下がり調子なら「断定」、上がり調子なら「質問」、一度下げてから上げれば「問い返し」となります。 これはアクセントと同じように、相手に正しく会話を伝える効果があります。

感情的イントネーションは、文節を感情的に伝えることによって注意を促したり言外に意志を含めたりすることを良います。 相手にしっかり伝えたい部分は強く言う、謝罪の際には弱々しく言うなどですね。

また重要な情報は他と差異を付けて伝えることも必要です。 例えば翌日の旅行の打ち合わせにおいては、集合場所と時間が特に重要な情報です。 話す時には大きい声で話す、少しゆっくり話すなど強調して伝えることで相手に注意を促すことができます。

全く同じ会話でもイントネーションや強弱の違いで相手に与える印象は全く変わってきます。 情報を正しく伝えられるように会話のイントネーションや強弱を工夫しましょう。

会話のペースを変える

ずっと一本調子で話していると、会話のどこが重要か分からずに聞き流されることがあります。 会話のスピードに緩急を付けて重要な部分が何かを知らせると効果的です。

特に重要な場所では会話を一時的に止める「ポーズ」のテクニックも有用です。 意味深な間を開けることで相手に思考や心構えをする時間を与えられます。

以上、話し方のテクニックでした。 色々とテクニックを書きましたが、一番重要なのは小手先のテクニックではなく相手を尊重する気持ちです。 相手のことをよく見て会話することを心がけましょう。

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