テニス・ウィンブルドン選手権では白いウェア着用が義務付けられている
テニスには国際テニス連盟が定める4大大会「全豪オープン」「全仏オープン」「ウィンブルドン選手権」「全米オープン」があります。 これらはテニストーナメントの中で最高の規模・権威・賞金額を誇る大会で、出場することすら難しい最高峰のトーナメントです。
ウィンブルドン選手権においては優勝すれば3億円、補欠選手として待機していただけでも1000万円貰えます。 補欠選手すらうらやましく思いますが、それだけハイレベルな選手を集めた大会なのです。
さてそのウィンブルドン選手権、選手が一様に白いウェアを着ていることが目を惹きます。 一体なぜ選手が白いウェアを着ているのかと言えば、ウィンブルドン選手権の規約で白いウェアを着なければいけないように定められているからです。
ウィンブルドン選手権のウェアが白い理由
ウィンブルドン選手権において、選手は白いウェアを着なければならないと規定で定められています。 他の大会では選手たちは赤青黄白黒など様々な色の服を着ているのに、ウィンブルドンに限ってはウェアはもちろん帽子・靴下・シューズなど上から下まで真っ白です。
これは1884年に始まった女子シングル部門において決勝を戦ったモード・ワトソンとリリアン・ワトソンに由来します。 二人のウェアは真っ白の長袖・ロングスカートのドレスであり、淑女然としたおよそテニスをするようには見えない恰好でした。 この試合は「なんて淑女らしい姿なんだ」と大変な反響を呼び、後にウィンブルドン選手権の規定となるに至りました。
ただ当時はウィンブルドンに限らず、テニスにおいて白いウェアを着ることは半ば常識であったようです。 テニスは紳士・淑女の社交場であるから汗染みを目立たせないために白いウェアを着用していたと言われています。 それを正式に規定として採用したのがウィンブルドン選手権という訳です。
ウィンブルドン選手権の規定を見てみると「とにかく白いものを着用しろ」という意思がひしひしと伝わってきます。 「プレドミナントリー・ホワイト(主に・白)」という規定で、ウェアは当然上下白・下着も白・靴の裏も白、白・白・白で定められています。 公式練習や試合前の際には規定に定められた服装をしていなければならず、事前のチェックにて不備が見つかった場合には着替えさせられます。 かなり厳しく審査されているのです。
上下白いウェア着用を義務付けるウィンブルドン選手権の規定は、ファッションの自由な現代においては逆に奇抜なものに見えます。 しかしこんなのだらけだと息が詰まりますが、数あるテニスの大会の中でこういった伝統を重んじる大会がひとつぐらいあってもいいのかもしれませんね。