カイワレ大根は重力と逆方向に伸びる

カイワレ大根を育てたことはありますか? 栽培キットが販売されていて手間いらずで簡単に育つので、自宅で育てている人もいるのではないでしょうか。

このカイワレ大根、横向きや下向きに置いたらどう育つと思いますか? ヒントを出しておくと、カイワレ大根は重力から受ける刺激によって伸びる方向が決まります。

カイワレ大根は重力と逆方向に伸びる

まずはyoutubeで見つけてきたカイワレ大根の成長動画を見てみてください。

片方は普通に、片方は横向きに置かれているのに、どちらも上向きに成長していってますね。 そして横向きに置いていたのを途中で置き直すと、改めて重力とは逆方向に成長していっています。

これはカイワレ大根が重力と逆方向に伸びる特性を持っているからです。 もしプランターをひっくり返して育てれば、180°方向転換して上に伸びていきます。

もう少し言うとカイワレ大根の茎は重力と逆方向に、カイワレ大根の根は重力と正方向に伸びています。 カイワレ大根の成長する方向は重力の方向によって決まり、このような重力からの刺激によって成長する方向が変わる性質を重力屈性と言います。 重力屈性は植物ホルモンの一種「オーキシン」の流れる方向の変化によって作り出されるのですが、面倒くさい説明になるので興味がある方は調べてみてください。(丸投げ)

ちなみに重力屈性は無重力状態である宇宙空間では上手く働きません。 地上では整然と同じ方向に成長する植物が、宇宙空間では無茶苦茶な方向に成長したりするようです。

刺激を受けた方向を元に成長する方向を変える「屈性」

植物には何かから刺激を受けて成長する方向を変える屈性という性質を持つものがいます。 カイワレ大根の重力屈性の他にも、光に反応する光屈性、水に反応する水分屈性など植物によって色々な屈性を持っています。

特に植物は光屈性を持っているイメージが強いですよね。 植物は日の光を光合成によって栄養にするため光屈性を持っている植物は多く、カイワレ大根も光屈性を持っています。

屈性は刺激の方向、あるいは刺激と逆方向に成長しようとし、前者を正の屈性、後者を負の屈性と言います。 カイワレ大根の重力屈性の場合、重力方向に伸びる根は「正の重力屈性」を、重力と逆方向に伸びる茎は「負の重力屈性」を持っていると言えます。

刺激を受けた方向と関係なく屈曲する「傾性」

植物の中には刺激を受ければ方向と関係なく一定方向に屈曲する「傾性」という性質を持つものもいます。 例えばオジギソウは刺激を与えると刺激の方向に関係なく葉をパタパタと閉じていきます。 オジギソウは触れられる刺激を感じて葉を閉じる傾触性を持っているということですね。

オジギソウは他にも日が落ちて暗くなった際にこのように葉を閉じる傾光性も持っています。 他に有名な傾性と言えば、チューリップの花が温度によって開閉する傾熱性を持っていることが有名でしょうか。

屈性と傾性はどちらも刺激に対しての反応ですが、刺激のあった方向で反応が変わるのが屈性、刺激の方向に関係なく一定の反応を示すのが傾性です。

植物は進化の過程で色々な屈性や傾性を獲得していったと考えられています。 自由研究なんかに丁度良い題材だと思うので、興味のある方は是非実験してみてください。

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