顔っぽいものが顔に見える「シミュラクラ現象」

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夜に暗い場所を歩いているとふと目線を感じ、ハッとして気配のする方向を見ると、柱の陰から人の顔が…! しかしよくよく近づいてみてみると壁の汚れが顔のように見えただけでした。皆さんもこんな経験をお持ちでないでしょうか?

人間の脳は顔っぽい物を顔だと誤認識してしまうように出来ています。 これを「シミュラクラ現象」と言います。

シミュラクラ現象とは

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社会生活を営む中で顔の表情を読む能力はとても重要です。 「顔色を伺う」なんて言葉がありますが、つまりは顔の表情から相手の思考や感情がある程度読み取れる訳です。 この言葉はネガティブな用途に使われる事もありますが、適度に顔色を伺うのはコミュニケーションを取る上でむしろ必要な事です。

そんな事情から人は相手の顔のちょっとした変化も見逃さないように、人の顔を見ると脳がよく働きます。 ちらっと目の端に顔を捉えただけでも、その顔の表情を見て相手の内面を読もうとします。

そんな人間の表情を見る能力がうっかりをすることがあります。 あまりに顔色を見逃すまいと注意するため、顔っぽいものまで顔だと判断して注視してしまうのです。

具体的には目と口の三角形ラインに三点があるだけで顔だと認識してしまいます。 点や線だけで描いた簡単な図からも感情を読み取れてしまうほどです。

これが行き過ぎるとちょっとした三点の模様や汚れも顔だと誤認識してしまいます。 気配がして見たら顔がこちらを覗いているように見えてギョッとしたけど、よくよく見たら壁のシミや木目だったなんて経験はあなたにもあるのではないでしょうか。

このように顔っぽい三点を顔だと錯覚してしまうことをシミュラクラ現象と言います。 人間の脳が表情の読み取りを重視するように出来ているが故の錯覚なのです。

心霊現象には脳の錯覚が多い

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世の心霊現象のいくつかはシミュクラ現象で説明が可能です。 例えば人の顔のように見えるものが写り込んだ心霊写真や、前項で書いたような顔っぽく見える壁のシミや汚れなどはシミュクラ現象による錯覚です。 強い恨みを持った霊の怨念が現世へ干渉して写真や器物に影響した結果ではありません。

また心霊現象はシミュラクラ現象に限らず脳の錯覚によるものが多いです。 顔っぽいものを顔と認識したり、暗闇や死角を恐れる本能から何もいない場所に気配を感じたり、自己暗示が在りもしないものを現実相応に見せたり、思い込みが偽りの記憶を過去にあった事として記録したりします。

もちろんよく分からない現象も沢山ありますけどね。 そもそもきちんと記録を取っていないと検証が難しいものですし、霊や宇宙人が関わっている可能性も全くない訳ではありません。

諸々の心霊現象がどのように科学的に説明できるかを考えてみるのも面白いかもしれませんね。 夏休みの自由研究にでもどうぞ。

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