長距離走のトップランナーは100mあたりを18秒で走っている

marathon

冬は駅伝やマラソンなど長距離走の季節です。 長距離走は体を酷使するので、比較的体力の消耗を抑えられる冬に行われます。

長距離走はテレビでも中継されますが、よく歩道を全力疾走してランナーを追いかけたり、自転車でランナーと並走している人がいますよね。 ランナーは涼しい顔で走っていますが、並走している人はかなり本気で食いついているようにも見えます。

それもそのはず、長距離トップランナーは100mあたりを18秒で走っているのです。 運動が苦手な人などは100mで区切って全力疾走しても負けるぐらい早いのです。

長距離トップランナーの100mあたりの速さ

runner

陸上や競泳などで大きな大会に参加する場合、このタイムより遅いと出場できない「標準記録」というタイムが設定されています。 オリンピック男子マラソンの標準記録は2時間19分で、オリンピックに参加しているランナーはみんなこれを上回るタイムを出してレースに臨んでいます。

しかしフルマラソンが2時間19分と言われても、多くの人はどの程度速いんだかよく分からないですよね。 オリンピックなんだから凄いことは凄いんでしょうけど、フルマラソンを走ったことがなければピンとは来ません。 日本のフルマラソン完走者は1000人に2~3人しかいませんからね。

そこで速さを実感するために、100mをどれぐらいで走っているのか計算してみましょう。 100mならほとんどの人が走ったことがあるので分かりやすいですよね。

2時間19分を秒に直すと7200 + 1140 = 8340秒です。 フルマラソンの距離は42.195kmなので、421.95で割れば100mあたりのタイムが出ます。計算しますと…

オリンピックフルマラソン標準記録の100m辺りのタイム

8340 ÷ 421.95 = 19.765秒

つまり100mを19.765秒のペースで42.195kmを走り続ければ、オリンピックの標準記録を出すことができるのです。 もちろん参加選手は全員が標準記録以上のタイムを出して参加しているので、実際のペースはこれよりも上になります。 どうです?100mぐらいなら付いていけるでしょうが、これを2時間以上続けるのは無理ですね。

さて次はオリンピックで優勝争いに入るにはどれぐらいで走ればいいかを計算しましょう。 マラソンは季節・コース・天気・気温・状況などでによって優勝記録が変わりますが、ほとんどの大会優勝者が2時間05分を切って優勝しています。 優勝タイムを2時間05分として考えた、7200 + 300 = 7500秒で計算してみましょう。

長距離トップランナーの100m辺りのタイム

7500 ÷ 421.95 = 17.774

という訳でフルマラソンで優勝するには、100mを17.774秒ぐらいで走り続けなければならないという計算結果が出ました。 標準記録と比べると走破タイムは15分ほど短いですが、100mあたりで見ると2秒も違いますね。

100mを18秒以内でフルマラソンを走り続けていると考えれば、いかにトップランナーが凄いかが分かると思います。 これは小学五年生男子・中学一年生女子100m走の平均タイムと同じぐらいの速度です。

ちなみに箱根駅伝の場合、傾斜の激しい山の上り下りを除いた区間記録を同様に計算すると、100mあたり18秒ちょっとで走っている計算になります。 距離はマラソンの半分程度ですが、ほぼオリンピックのフルマラソンと同じペースで走っているんですね。 箱根マラソンのランナーと並走している人が全力疾走しているのも頷けるペースです。

1km3分が一つの目安

run

長距離走のペースの目安に「1km3分」があります。 100mあたり18秒で走るペースで、これを上回ればハイペース、下回ればスローペースのように言われます。 流石にフルマラソンをこのペースで走り切れる人はそうそういませんが、大学駅伝などで聞く機会があります。

学生時に体力測定で男子は1500m、女子は1000mを走らされていると思います。 1km3分のペースで走るのであれば、1000mなら3分、1500mなら4分30秒ですね。体力測定の記録を思い出してみてください。 1km3分で走れていたでしょうか?

足に自信があるなら、出せた人もちらほらいるタイムだと思います。 中学でもクラスに1人ぐらいはいてもおかしくないレベルで、陸上部の長距離レギュラーならほぼ全員切れる程度ではあります。 高校ならもっと速い人もいるでしょう。

しかしこの速さのまま10km、20km、40kmとなると無理を通り越して不可能ですよね。 1500mでも走った後は半死半生になるのに、フルマラソンならそれを続けて27本です。 笑えるほど速いペースです。

可能だと思った人はオリンピックを目指しましょう。

一般人にとってはマラソンの敷居は低い

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ちなみに一般的な市民ランナーで記録に拘らないのであれば、フルマラソンはそこまで難易度は高くありません。 流石にまともに運動していない人がポッと出て完走できるほど簡単でもありませんが、日常的に体を動かしていれば専門の練習なしに完走することも可能です。

ビギナー向けの市民マラソンでは制限時間が6時間ぐらいに設定されているものが多く、大会によっては制限時間のないものもあります。 6時間かけて完走を目指す場合、100mあたりのタイムは51秒ともう走っているのか分からないぐらいのスピードになります。 体力と気力があれば十分に完走は可能ですよね。

最近は健康のためジョギングをする人も増え、マラソン参加者も増加傾向にあります。 ジョギングのモチベーションとしてマラソン大会へ参加している訳です。

タイムを気にしない場合、10km走ることができればフルマラソンを完走できると言われています。 そして慣れればゆったり10km走ることは難しいことではありません。 つまりはフルマラソンも完走だけなら難しくないのです。

運動不足と健康のためのジョギングとマラソン、あなたもいかがでしょうか。

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