「スパム(ネットの荒らし行為)」の由来は缶詰のSPAM
ネットにおいて大量の書き込みやメッセージを相手の意向を無視して大量・無差別に送り付けることを「スパム」と言います。 スパムメール、コメントスパム、掲示板スパムなど一口にスパムと言っても内容は様々です。
このスパムというワード、豚肉を缶詰に詰めた商品「SPAM」が由来になっています。 なぜこんな不名誉な名前が付いてしまったのかと言えば、モンティパイソンのコントのせいなんですね。
スパムの由来は缶詰のSPAM
時は第二次世界大戦中、戦争に参加していた国はどこもかしこも物資不足でした。 イギリスも例外ではなく、食べられる肉料理と言えば豚肉の缶詰でお馴染みのスパムだけです。 特に日常的に食べさせられていたイギリス兵はスパムに対して悪感情を持っていた人も少なくありませんでした。
そんな経緯からイギリスの人気コメディグループ「モンティパイソン」は、やたらとスパム推しをする料理屋のコントを演じています。 とにかく店主がスパムを推してきて、客が「スパムは嫌いよ!」と言ってもスパムを捻じ込んでこようとする内容です。
ネットの「スパム」行為はこのコントに由来して名付けられたそうです。 嫌いだし見たくもないのに捻じ込んで来て、遂にはうっかり被害に逢ってしまう様はこのコントさながらと言えるかもしれません。 コントは笑い話ですが、スパムは笑えないですね。
なおSPAM缶の販売元であるホーメル食品はこの不名誉な事態に対して缶詰の名称は「SPAM」、ネットの荒らし行為は「spam」と大文字小文字で区別することを提案しています。 カタカナではどちらも「スパム」となり日本では区別されていませんが、SPAMの名誉のため日本でもローマ字表記が広まると良いですね。
折角なのでスパムの対処法もお話しておきましょうか。
スパムの対処法は無視と非表示化
スパム行為を目にした場合、どうにかして相手に止めさせたいですよね。 中にはスパム主に文句を書いて連絡する人もいます。
しかし相手へリアクションを返すことはスパムの対処として最もやってはいけない事です。 スパム側からすればこのリアクションは「スパムを無視しないユーザーである」ことを知らせるものでしかなく、更なるスパムを送り込んできます。
スパム行為に最も有効な対処は無視です。 何のリアクションも返してはいけません。
しかしある程度は無視で済ませられても、あまりに多いと被害に逢う可能性も考えられます。 スパムメールの実話を元にしたたとえ話をしましょう。
スパムメールは日々大量に送られてくるので、何の対処も行わないと中には自分に関係のありそうな内容のメールも届きます。 例えば「A銀行でパスワードが流出したので変更して欲しい」とメールが来た場合、A銀行の口座を持っていたらつい手続きをしてしまいそうですね。 しかし実はスパムメールで、メールに記載されている変更手続きによってパスワードが流出したなんて話が実際にあります。
なのでスパムが目に入ったらなるべくスパムが目に入らないようにコンピュータの設定で対応しましょう。 例えばスパムメールなら迷惑メールフォルダに叩き込む設定をする、スパムコメントならホストやIPで非表示設定を行う、掲示板スパムなら管理者にスパム報告をして対処して貰うなどですね。 重ねて言いますが、間違ってもスパムに対して反応を返してはいけません。
しかしスパム主もそれを分かっていてか、ついつい読みたくなるような文句でスパムしてくることも多いです。 「あなたを一晩200万円で落札しました」「主人がオオアリクイに殺されて1年が過ぎました」「久しぶり!ミキです!」などなど… 中にはバカバカし過ぎて話題になるものもありますが、それがスパムの戦略だったりします。相手にしてはいけないのです。